2007 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体品質管理による植物細胞機能分化の制御-有性生殖を中心にして
Project/Area Number |
16085202
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 周一 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10252222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 斗志也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70152014)
吉久 徹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 准教授 (60212312)
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Keywords | 小胞体 / 分子シャペロン / 品質管理 / 有性生殖 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
本研究では、小胞体の分子シャペロンHsp70であるBiPと、その制御因子である小胞体のJタンパク質のシロイヌナズナにおける機能の解析を行っている。前年度に、シロイヌナズナでは、AtBiP1とAtBiP2をともに欠失すると雌性配偶体致死となることを見いだしていた。今年度は、この雌性配偶体致死性の原因について解析を進めた。この結果、AtBiP1とAtBiP2をともに欠失した雌性配偶体は、極核の融合に欠損を持つことが明らかとなった。この変異体の雌性配偶体は受精能をもつが、胚乳の核相の制御が異常となり、胚性致死となることが示された。本研究では、これまでに、AtBiP1に関する様々な変異体を作製し、花粉特異的発現系を利用して、その機能解析を行ってきた。このうち、酵母におけるBiPの温度感受性変異株であるkar2-1変異株と同様の変異をもつAtBiP1(P503L)変異体は、その発現が優性欠損とならなかったことから、AtBiP1とAtBiP2をともに欠失した変異体を元にして、AtBiP1(P503L)変異体のみをBiPとして発現するシロイヌナズナのラインを構築した。構築したシロイヌナズナ変異ラインは、発芽が温度感受性となったことから、シロイヌナズナにおけるBiPの温度感受性変異体が構築できたと考えられる。小胞体のJタンパク質に関する研究では、本研究で同定した5種類のJタンパク質のひとつであるAtERdj3Bの変異体が示す温度感受性不稔について研究を進めた。この結果、29℃で栽培したaterdj3b変異体は花粉形成が異常となり、花粉の雄しべからの解離に欠損が生じることが明らかとなった。
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Research Products
(9 results)