2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物の重力感受と形態に関連した液胞機能を支える分子ネットワークの解明
Project/Area Number |
16085205
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 美代 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10314535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 昌生 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90179680)
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Keywords | シロイヌナズナ / 重力屈性 / 遺伝学 / 小胞輸送 / 液胞 |
Research Abstract |
我々は高等植物の環境適応戦略の一つである重力屈性の分子機構について、シロイヌナズナを用いた分子遺伝学的なアプローチを中心に研究を進めてきた。その過程で、小胞輸送が支える液胞機能が重力感受に必要であることを明らかにした。本研究では、液胞やそれに至る輸送系が、どのようにして重力屈性や形態形成などの高次機能に関与するのか、より具体的に分子レベルで理解することを目的としている。今年度は次のような研究を行った。 1)これまで、zig変異体の形態異常と重力屈性異常を共に抑圧する変異体を解析対象にしてきた。これにより、期待通りZIG/VTI11が関わる小胞輸送経路周辺で機能する遺伝子(ZIP1/VTI12,ZIP2/AtVPS41)が単離・解析されてきた.最近更にマッピングが進行し、zip3,zip4変異体においてそれぞれAtVPS35、AP3μサブユニットhomologをコードする遺伝子に変異が発見され,これらが原因遺伝子である可能性が高い.更に2遺伝子座(ZIP5,ZIP6)のマッピングも順調に進んでおり、いずれも3番染色体にマップされた. 2)sgr5,sgr9変異体の解析から、原因遺伝子(C2H2-type zinc finger protein及びRING finger protein)が、アミロプラストの沈降に関わることが明らかになった。Vertical microscopeを用いて、生きた内皮細胞のアミロプラスト動態及び液胞膜動態の詳細な解析を行った。その結果、sgr5及びsgr9では、sgr2,zig,sgr8等の液胞形態・輸送異常変異体で見られるようなアミロプラスト沈降異常とは異なる様式で、アミロプラスト沈降及び動態に異常を示すことを見出した。sgr5及びsgr9変異体は重力感受におけるオルガネラ動態の制御機構を理解する上で重要な変異体であると考えられる。
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Research Products
(3 results)