2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物の重力感受と形態に関連した液胞機能を支える分子ネットワークの解明
Project/Area Number |
16085205
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 美代 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 准教授 (10314535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 昌生 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90179680)
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Keywords | シロイヌナズナ / 重力屈性 / 遺伝学 / 小胞輸送 / 液胞 / オルガネラ / 細胞骨格 |
Research Abstract |
我々は高等植物の環境適応戦略の一つである重力屈性の分子機構について、シロイヌナズナを用いた分子遺伝学的なアプローチを中心に研究を進めてきた。その過程で、小胞輸送が支える液胞機能が重力感受に必要であることを明らかにした。本研究では、液胞やそれに至る輸送系が、どのようにして重力屈性や形態形成などの高次機能に関与するのか、より具体的に分子レベルで理解することを目的としている。今年度は次のような研究を行った。 1)これまで、zig変異体の形態異常と重力屈性異常を共に抑圧する変異体(zip)を解析対象にしてきた。今年度はzip3を中心に解析を行ない、原因遺伝子がVPS35bであること、レトロマー機能低下がzig-1抑圧を可能にすること、zip3における抑圧にVTI12が関係することなどを明らかにした。現在、論文発表の準備を行なっている。 2)小胞輸送異常変異体で見られるアミロプラスト沈降異常とは異なる様式で、アミロプラスト沈降及び動態に異常を示すsgr5,sgr9変異体の解析を進めた。とくに両変異体共に、アクチン重合阻害剤であるLatB添加により重力屈性異常が回復すること、アクチン重合に異常があるアクチン2遺伝子の優性変異fizlの導入によっても重力屈性異常が回復すること、またfizlの導入によりアミロプラスト沈降異常も回復することから、これらの変異体ではアクチン脱重合が阻害されることによりアミロプラスト動態異常が生じている可能性が考えられた。
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