2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16085206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鹿内 利治 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70273852)
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Keywords | 葉緑体 / RNA編集 / 環境適応 / PPRタンパク質 / 光合成 / プラスチド / シロイヌナズナ / 遺伝学 |
Research Abstract |
RNA編集は、DNAにコードされる遺伝情報をRNA上で書き換えるものであり、植物ではプラスチドとミトコンドリアで頻繁に見られる。植物のRNA編集は、特定のCがUに脱アミノ化されるが、そのサイト認識には、標的となるC残基の周辺の30塩基程度が重要である(シス配列)。我々はこのシス配列を認識するトランス因子が、PPRタンパク質であることを明らかにした。またRNA編集に関わるPPRタンパク質CRR4、CRR21において、N末のPPRドメインがRNA配列の認識と結合に関与し、一方、C末のEドメインはRNA編集反応に必須であることを報告している。我々は、Eドメインを介してPPRタンパク質が編集部位に編集酵素を呼び込むRNA編集装置の二成分モデルを提唱した。残る課題は、編集酵素の同定である。 今年度我々は、CRR4、CRR21と異なり、EドメインのさらにC末側にDYWドメインを持つCRR22、CRR28がプラスチドのRNA編集に関わることを報告した。DYWドメインは、問題の編集活性を有する部位ではないかと注目されている。しかし、CRR22とCRR28のDYWドメインは、in vivoでのRNA編集に不要であり、それに反して、別のPPRタンパク質であるCRR2のDYWドメインがmRNAの遺伝子間切断に必須であることを明らかにした。またCRR2のDYWドメインはin vitroでRNase活性を有することを示した。以上の結果から、DYWドメインがPPRタンパク質によって異なる機能を持つことを結論した。課題の編集酵素は、未知である。
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Research Products
(9 results)