2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応戦略としてのペルオキシソームの可逆的機能分化
Project/Area Number |
16085209
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
西村 幹夫 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 教授 (80093061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 助教授 (50212155)
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Keywords | ペルオキシソーム / RNAi法 / PEX遺伝子 / apm変異株 / タンパク質の細胞内輸送 |
Research Abstract |
PEX遺伝子群の逆遺伝学的解析 アラビドプシスゲノムの網羅的検索を行い、他の生物と類似の配列を持つ15種類、21個のPEX遺伝子候補を同定した。本年度は、前年度までに解析を終了したPEX5、PEX7、PEX14遺伝子以外の12種類、18個の全PEX遺伝子候補を対象にしてRNAi法によるノックダウン株を作成した。これらノックダウン株を解析した結果、12種類の遺伝子のうち11種は実際にPEX遺伝子として機能していることが明らかになった。また、これら11種のPEX遺伝子群を、(1)ペルオキシソームタンパク質の輸送機構に関与するグループ(PEX1、PEX4、PEX6、PEX10、PEX12、PEX13)と(2)ペルオキシソームの形態維持機構に関与するグループ(PEX3、PEX11、PEX16、PEX19)に分類した。 ペルオキシソーム形成不全変異体の解析 GFP蛍光によって可視化されたペルオキシソームの形態を指標に単離されたapm変異体のうち、apm2、apm4突然変異体は、GFPがペルオキシソームのみならずサイトソルでも検出されることから、ペルオキシソームへのタンパク質輸送の効率が低下した変異体と考えられる。本年度は、この2系統に関して原因遺伝子の同定および遺伝子産物の機能解析を行った。その結果、APM2、APM4遺伝子はペルオキシソーム制御因子であるPEX13とPEX12をコードしており、ともにペルオキシソーム膜上に局在していることが明らかとなった。また、両変異体ではPTS1のみならずPTS2タンパク質の輸送効率も低下していること、およびPTS1タンパク質のサイトソルにおけるレセプターであるPEX5がペルオキシソーム膜上に蓄積することから、タンパク質レセプター複合体のペルオキシソーム膜上での移動が阻害されている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)