2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応戦略としてのペルオキシソームの可逆的機能分化
Project/Area Number |
16085209
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
西村 幹夫 National Institute for Basic Biology, 高次細胞機構研究部門, 教授 (80093061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 准教授 (50212155)
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Keywords | ペルオキシソーム / PEX遺伝子 / apm変異株 / プロテオーム / HSP90 / 熱ショック転写制御因子 |
Research Abstract |
ペルオキシソームの可逆的機能分化について、以下1-3の研究成果を得た。 1.PEX遺伝子群の機能解析 PEX遺伝子は、さまざまな生物で単離されたペルオキシソーム制御遺伝子の総称である。シロイヌナズナゲノムには少なくとも22個のPEX遺伝子が存在する。これらPEX遺伝子変異体の表現型解析から、PEX遺伝子をペルオキシソームのタンパク質の輸送に関与するもの、形態維持に関与するもの、分裂に関与するものに分類した。これらの結果からタンパク質輸送機構のモデルを提唱した。 2.ペルオキシソーム形成不全変異体 GFP蛍光によって可視化されたペルオキシソームの形態を指標に単離されたapm変異体のうち、今年度は新たなapm変異体apm3、5について原因遺伝子の特定を行った。 3.ペルオキシソームのプロテオーム解析 ペルオキシソームタンパク質を網羅的に同定するため、ダイズから高純度のペルオキシソームを単離する方法と、2次元展開したペルオキシソームタンパク質のMS解析で得られたペプチドMSフィンガープリントをダイズESTデータベースと参照することで従来より高感度でペルオキシソームタンパク質を同定する方法を確立し、複数の新規ペルオキシソーム膜タンパク質の同定に成功した。 その他に今年度は分子シャペロシHSP90が植物の高次機能発現に関与する仕組みに注目して解析を加えた。HSP90は熱応答遺伝子の発現に関わる熱ショック転写制御因子HSFの活性を負に制御し、熱ショックによるHSP90の活性低下がHSFを活性化し、熱応答遺伝子を発現させることが示された。
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