2008 Fiscal Year Annual Research Report
性決定機構が未解明な動物種における性染色体の構造と性決定関連遺伝子群の解析
Project/Area Number |
16086201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 洋一 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (70165835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 麻里 北海道大学, 大学院・理学研究院, 講師 (20372261)
西田 千鶴子 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助手 (80291227)
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Keywords | 性染色体 / 性決定 / 性分化 / 脊椎動物 / 進化 |
Research Abstract |
スッポンがもつZWマイクロ染色体がニワトリの15番染色体に対応することを明らかにした。この結果、我々のこれまでの研究成果も含め、爬虫類(カメ目、ヘビ・トカゲ目)の性染色体の起源が多様であることが判明した。性染色体の分化がほとんど見られないヒクイドリにおいて、Z-W染色体間で構造変化が生じているゲノム領域(kW1)のクローニングに成功し、性染色体分化の初期段階に生じる欠失と反復配列の増幅過程の実例を示した。また、性染色体の構成が異なる4つのツチガエル集団(ZW型、XY型、2種類の未分化型)で性染色体の比較マッピングを行い、ツチガエルの性染色体の分化過程を明らかにした。HiCEP法を用いたニワトリ生殖腺特異的発現遺伝子の網羅的解析の結果、ニワトリの性分化に関与する可能性が高い新規のZ連鎖遺伝子を同定した。この遺伝子の特徴として、性決定時期のオスの生殖腺に強く発現する、性決定後は発現が消失する、生殖腺中のセルトリ細胞で発現する、鳥類以外の脊椎動物には存在しないことが明らかとなった。また、Y染色体をもたないトゲネズミ2種の近縁種、オキナワトゲネズミの核型解析およびSRY遺伝子の解析を行った。その結果、オキナワトゲネズミは一般的な哺乳類と同様にオスがY染色体を有することが再確認されたが、その大きさは巨大で、SRY遺伝子も70種以上のコピーが蓄積していることが明らかとなった。
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