2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16086203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 克晃 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30260326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒川 直樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (50431838)
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Keywords | SRY / トランスジェニック / 性決定 / マウス |
Research Abstract |
熱ショック(HS)を与えることにより、卵巣からXX精巣へと性転換させることができるSry誘導モデルマウス(#44)を用いて、以下の点を明らかにした。1) 性分化初期(11.0-11.25dpc)でのSry発現が精巣決定に必須であり(精巣誘導の臨界期の決定)、この6時間のSry作用が、性腺内のFgf9/Wnt4の発現バランスを雄型に誘導するに重要であること.2) Sry作用の直下にグルコース代謝制御の精巣特異的な分子カスケードが存在し、このカスケードにより雄特異的なSOX9高発現と形態形成のエネルギーを供給すること.3) XX性腺でSry誘導により6時間以内に発現誘導されるSRY直下のSigt遺伝子(Sry-induced gonadal transcripts)を新たに見出した。 さらにSigt遺伝子に関しては、SRY標的遺伝子であるSOX9発現とほぼ同じ時期に開始する遺伝子として7つの代謝関連因子を同定することに成功した。さらに、#40恒常的Sry発現ラインの性腺における異所的SRYによる全Sigt遺伝子の発現の挙動を調べた結果、Sigtl-4の4種類の遺伝子が直接的にSRYにより活性化される可能性が強く示唆された。これの成果は、哺乳類の性決定の仕組みの解明と精巣形成の時空間的な分子機序の深い理解に繋がり、ヒト、家畜の様々な性分化異常症の理解と治療への応用へ直結するものと考えられる。
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