2008 Fiscal Year Annual Research Report
性分化異常症および生殖機能障害の包括的遺伝子変異および多型解析とその臨床応用
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16086215
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
緒方 勤 National Research Institute for Child Health and Development, 小児思春期発育研究部, 部長 (40169173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝又 規行 国立成育医療センター(研究所), 小児思春期発育研究部, 室長 (10260340)
深見 真紀 国立成育医療センター(研究所), 周産期病態研究部, 室長 (40265872)
佐藤 直子 国立成育医療センター(研究所), 小児思春期発育研究部, 研究員 (10383069)
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Keywords | 性分化異常症 / 単一遺伝子疾患 / 多因子疾患 / 精巣形成不全 / 新規性分化異常症責任遺伝子 / Notchシグナル伝達経路 / エストロゲン受容体α遺伝子 / 内分泌撹乱物質 |
Research Abstract |
本年度における代表的成果は下記の通りである。 <単一遺伝子疾患としての性分化異常症> POR(P450 oxidoreductase)欠損症35例における遺伝子型-表現型解析を行い、以下を明らかとした。(1)常染色体劣性疾患であるにもかかわらずへテロ変異しか見いだされなかった患者において、一見正常のアリルは、転写されていない。(2)一見ホモのミスセンチ変異において一方のアリルの微小欠矢が存在する。(3)患者は、R457Hのホモ接合体(残存活性高値)とR457Hと無機能型変異の複合型へテロ接合体(残存活性低値)に大別される。(3)残存活性は、骨系統疾患の重症度に密接に関与し、副腎機能と男性における性分化異常にある程度関与するが、必発である女性における性分化異常や妊娠中の母体男性化の重症度には影響しない。これは、各症状に関連する代謝経路が単純なものであるか複雑なものであるかによって説明され、女性における性分化異常にはbackdoor pathwayが密接に関与し、したがって、ステロイドにより胎内治療が可能であることを見いだした。(4)POR異常症患者が、しばしば、腎、会陰、直腸形成異常を呈し、これがPOR依存性酵素であるCYP26A1, CYP26B1活性低下によるビタミンA代謝産異常によることを明確とした <多因子疾患としての性分化異常症> HapMapに基づき14遺伝子、378 SNPを解析し、男児外陰部異常症が男性ホルモン産由こ関与するCYP17A1(P=0.0000031)とダイオキシン代謝に関連するARNT2(P=0.000067)と強く関連することを見いだした。また、エストロゲン受容体8遺伝子(ESR2)のハプロタイプ解析を行い、プロモーター領域の特定ハプロタイプが精子形成障害と関連することを見いだした(P=0.0015、オッズ比2.9)。
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[Journal Article] CXorf6(MAMR1:mastermind-related 1) transactivates the Hes3 promoter, augments testosterone production, and contains the target sequence for SF-12008
Author(s)
Fukami M, Wada Y, Okada M, Kato F, Katsumata N, Baba T, Morohashi K, Laporte J, Kitagawa M, Ogata T
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry 283(9)
Pages: 5525-5532
Peer Reviewed
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[Journal Article] Deletions and epunutations affecting the human chromosome 14q32.2 imprinted region: implications for the phenotypic development in paternal and maternal uniparental disomy for chromosome 142008
Author(s)
Kagami M, Sekita Y, Nishimura G, Irie M, Kaio F, Okada M,Yamamori S, Kishimoto H, Nakayama M, Tanaka Y, Matsuoka K, Takahashi T, Noguchi M, Tanaka Y, Masumoto K, Utsunomiya T, Kouzan H, Komatsu Y. Ohashi H, Kurosawa K, Kosaki K, Ferguson-Smith AC, Ishino F, Ogata T.
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Journal Title
Nature Genetics 402
Pages: 237-242
Peer Reviewed
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