2004 Fiscal Year Annual Research Report
光合成細菌の集光性アンテナ・反応中心タンパク質複合体における高度な機能制御機構
Project/Area Number |
16087201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野澤 庸則 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10006322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 征宇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10213612)
小林 正幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70271864)
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Keywords | 超分子膜タンパク質 / 結晶化 / LH1-RC複合体 / Thermochromatium tepidum / X線構造解析 / デタージェント / 沈殿剤 / LH2 |
Research Abstract |
本研究の目的である光合成膜内にある超分子膜タンパク質の構造・機能を解明する研究として、光合成細菌系の膜内アンテナLH1と反応中心複合体(LH1-RC複合体)を取り上げる。LH1アンテナは光の受容と反応中心への集光機能を果たしている膜タンパク質であるが、まだ、これ自身としても結晶解析が達成されていない。まして、反応中心RCとの複合体を形成しているLH1については、単離精製法もまだ確立していない。そこで、本年度にはLH1-RC複合体の単離精製法の確立を目指し、さらに、単離精製された試料を用いて、X線構造解析に耐えうる結晶を得るための方法を確立したい。この際、熱に安定で取り扱いが容易な耐熱性光合成細菌Thermochromatium tepidumを利用して行った。光合成膜タンパク質の複合体であるコアアンテナLH1と反応中心RCの複合体をインタクトな構造を保ったままで単離精製し、これを用いて様々な条件で結晶化を試みた。高純度のLH1-RCを得るために、デタージェントの種類、濃度、溶液pHを様々に変えて高純度試料の精製に成功した。これを用いて、様々にデタージェント、沈殿剤等を変えて結晶化を試み現段階で15Åの分解能を示す回折を得ている。LH1のおおよその構造はX線構造解析がなされているLH2との比較などから推定されている。すなわち、2種類のペプチドαとβが組みとなりこれにバクテリオクロロフィルaが2分子結合したものが、単位(サブユニット)になり、この単位が16ないし18ほど反応中心の周りをほぼ円形に取り囲んでいるというものである。そこで、我々は天然のLH1-RC複合体を単離精製して結晶化を試みる研究と並行して、無細胞発現システムを用いて、LHIタンパク質を大量に合成しこれから天然のものと同様な構造を有する再構成LH1を作り上げこれとRCとでLH1-RC複合体を組み立てる試みも行うべく、大腸菌ならびに無細胞タンパク質発現系を利用してLH1タンパク質の発現を行った。
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