2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体超分子立体構造・機能解析のためのシミュレーション法開発
Project/Area Number |
16087202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北尾 彰朗 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (30252422)
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Keywords | 生体超分子 / ナノバイオ / 分子機械 / シミュレーション / 生物物理 |
Research Abstract |
本年度は、主に超並列分子動力学シミュレーションプログラムのコア部分の実用化、効率的サンプリング法の開発、立体構造の精密化法開発、マルチスケールシミュレーション法開発を行ってきた。 超並列分子動力学シミュレーションプログラムのコア部分の実用化に関しては、日本原子力研究開発機構のグループと協力して行っているが18年度にはプログラムで使用する配列を再設計し、大幅なメモリー削減を可能とし実装をほぼ完了することができた。現在、さらに公開に向けたプログラムの整理・チェックを行っている。 効率的サンプリング法の開発では、複数の安定状態の存在が知られている生体高分子・超分子に関して、安定状態間を遷移する素過程を観測するシミュレーション法の開発を継続している。アンブレラポテンシャルを用いた方法では、ペプチドなどの小分子での手法開発・チェックを終了し、現在は蛋白質でも手法の有効性を示すことができた。また、リガンドの「逐次結合モデル」を用いたシミュレーションでは、アルコール脱水素の詳細な結合メカニズムを明らかにすることができた(Hayward & Kitao)。 立体構造の精密化法開発に関しては、NMRデータを用いた動的構造精密化法の開発を進め、その成果を論文に発表した(Kitao & Wagner)。更に現在、分子動力学との比較から従来の緩和モデルの問題点を見出した。 また、効率的なシミュレーションを可能にする生体超分子の粗視化モデルの開発についてはアルゴリズムの検討を行った。来年度は実装に移れるよう、準備を進めている。
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Research Products
(6 results)