2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体超分子立体構造・機能解析のためのシミュレーション法開発
Project/Area Number |
16087202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北尾 彰朗 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (30252422)
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Keywords | 生体超分子 / ナノバイオ / 分子機械 / シミュレーション / 生物物理 |
Research Abstract |
本研究では継続して主に下記を研究目標としてきている。(1)生体超分子が機能を発揮する素過程を高解像度で観測するための大規模分子シミュレーション法の開発、(2)分子シミュレーションを用いた生体超分子の立体構造構築・精密化法の開発、(3)効率的なシミュレーションを可能にする生体超分子の粗視化モデルの開発である。 超並列分子動力学シミュレーション法の開発に関しては、開発がほぼ完了した。マルチスケールシミュレーションと組み合わせた効率的サンプリング法の開発では、多数のシミュレーションを並列に実行して、後で結果を統合することにした。具体的には、粗視化モデルによるシミュレーション結果から詳細モデルを用いた多数の分散シミュレーションに移行していくサンプリング法を開発した。テストケースとして数残基程度のペプチドをターゲットとし、粗視化モデルの適用性について吟味すると共に分散シミュレーションに必要なシミュレーション数(つまり収束性)について検証した。その後、本格的に蛋白質系での展開をおこなうための準備をおこなっている。 また、この特定領域で決定された立体構造から機能へのメカニズムを明らかにするために行なってきた、有坂グループらが構造決定したT4ファージ蛋白質複合体gp5に関する研究では、バクテリアに感染する際の初期過程に起こる膜貫通過程シミュレーションについて複数条件での計算がほぼ終了し、これらのまとめに取り掛かろうとしている。チトクロームCとその酸化酵素複合体のモデリングに関しては年度末に第1段階の計算が終了し、リーズナブルな結果を得た。今後、石森グループが検証を行い、そのフィードバックを受ける予定である。
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Research Products
(49 results)