2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16087204
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
有坂 文雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (80133768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 周司 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (50376951)
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Keywords | 微生物 / 蛋白質 / ナノバイオ / 分子認識 / ウイルス / バクテリオファージ / X線結晶構造解析 / 超遠心分析 |
Research Abstract |
1. T4ファージ基盤ウェッジ複合体及び各構成成分の単離 gp6のC末端にHis-Tagを付加した蛋白質にgp10, gp7, gp8をそれぞれ別々に発現させた溶菌液を混ぜて複合体を調製したところ、流体力学的に均一な複合体であることが判明し、超遠心分析、SDS-PAGEの結果、複合体は(gp10)_3(gp7)_1(gp8)_2(gp6)_2であることが判明した。ここに、gp53を添加すると、さらに大きな複合体を生じた。この超分子複合体を電子顕微鏡で観察したところ、6回対称の均一な基盤様構造体であることが判明した。超遠心分析の結果、この巨大複合体は沈降係数43.7S、分子量は約3.4×10^6であり、gp6までの複合体が6個集合して生じた複合体[(gp10)_3(gp7)_1(gp8)_2(gp6)_2]_6と仮定した結果と一致することが分かった。 2. T4ファージspackle蛋白質(gp61.3)とテイルリゾチームgp5の単離と結晶化 T4ファージの溶菌阻止の機構を明らかにする目的で、この現象に関与することが知られているspacke蛋白質(Sp)の大量発現系を構築した。Spは単量体として溶液中に存在し、別に精製したgp5と1 : 1で結合することが分かった。 3. Gp5C末端ドメインを利用した筒状蛋白質の長さと太さの蛋白質工学による制御 天然のgp5C末端と同じ長さ(9nm)から約4倍の長さ(34nm)を持つと期待されるポリペプチドの発現と精製に成功した。また、8残基の繰返し配列を10残基に増やしたポリペプチドについても発現と精製を行い、超遠心分析により会合傾向にある三量体を形成していることが示唆された。しかし、10残基ペプチドをさらにタンデムに繋いだ太く長いポリペプチドは不溶性画分に得られ、精製と解析には至っていない。
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Research Products
(29 results)