2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16087206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00294132)
田中 秀明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40346169)
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Keywords | 生体超分子 / 構造 / 機能 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
数10万から1億Daを超える分子量の超分子のX線結晶構造解析を行う上で問題になることは、大きく分けて初期位相の決定と、構造の精密化に分けることができる。初期位相の決定では、重原子同型置換法を踏襲して行う。分子量が大きい結晶になればなるほど、重原子位置の決定には強度の弱い反射を高い精度で決めることが重要になってくる。SPring-8ビームラインBL44XUにおいて弱い反射の回折強度測定の精度を上げるため,X線パスをヘリウム置換して低バックグランド化を行った。 球状ウイルスは例外なく正20面体対称を有する.この対称性を利用したab initio構造解析法を開発した.この方法では生結晶のX線回折強度データが得られれば,直ちに構造決定が出来るようになった.このためのプログラムをどこででも使用できる様式に仕上げ,その内容を論文にして現在投稿中である. 超分子複合体の構造を水素原子の位置を決めることのできる精度まで精密化することは、重要な課題である。原理的には1.6~1.7Å分解能でも水素原子の電子密度を求めることは可能である。ただ、水素原子の電子密度を求めるためには、非水素原子の正確なパラメータを求めておくことが不可欠である。このことが未だ不十分であるために、1.5〜1.6Å分解能では水素原子の位置を決めることができていない。これを克服する精密化法をチトクロムP450結晶の1.5Å分解能のデータを使って開発している。 Vaultは核膜周辺に局在し,3種の蛋白質サブユニットと1種のRNAからなる分子量1300万に達する巨大な蛋白質核酸複合体である.この生体超分子をラットの肝臓から精製して結晶化に成功した.空間群はP1で,a=440.9・b=600.5・b=635.7・a=67.1°,b;77.7°,g=70.0°で,現在8・/font>分解能の回折強度データ収集を完了したところである. ウシ心筋のチトクロム酸化酵素では,絶対構造を決める新しい方法を開発して活性中心であるヘムaの絶対構造の決定に成功した.現在論文を投稿中である.
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Research Products
(4 results)