2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16087206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00294132)
田中 秀明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40346169)
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Keywords | 生体超分子 / 構造 / 機能 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
巨大な超分子のX線結晶構造解析における解析精度の限界と分子量の限界を克服する方法を確立することを目指している。具体的には、第1は「1.6Å分解能で分子量が42万のウシ心筋のチトクロム酸化酵素の結晶中の水素原子位置を決定できる方法を確立する。」ことと、第2は「分子量1300万の蛋白質、核酸複合体であるボルトの3Å分解能X線結晶構造解析によって非水素原子の座標を決定する。」ことである。いずれの課題においても、良質の結晶の調製法、精度の高い回折実験法、構造解析法の開発が求められている。 これまでにチトクロム酸化酵素の良質の結晶を調製するために、アニーリング法を適用して、1.5Å分解能の回折像を得た。精度の高い回折実験を行うために回折計にヘリウムパスを導入して低バックグラウンド化を行った。また、巨大な球状ウイルスのab initio構造解析法と蛋白質結晶中の補欠分子の絶対構造決定法を確立した。 ボルトの結晶構造解析では、5Å超える分解能の結晶を得た。ボルトは厳密には6回回転軸があり、少しずつ崩れの大きい12回、24回回転軸がある。現在、ab initio法で活用した非結晶学的対称性を活用した平均法による構造解析を進めている所である。 チトクロム酸化酵素の高分解能構造解析では、ヘムaのヒドロキル基の絶対構造を1.8Å分解能の回折データを使って決定した。さらに、この方法では炭素原子の絶対構造決定が困難と思われていた2.8Å分解能でも適用可能であることを示した。本酵素には多くの脂質が結合しており、それらの全構造を決定した。以前より提唱しているプロトンポンプ機構の説では新しい証拠を明らかにした。また、プロトンを取り込む新しい仕組みも明らかにすることが出来た。
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Research Products
(5 results)