2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16087206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 Osaka University, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究科, 助教 (00294132)
田中 秀明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (40346169)
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Keywords | 生体超分子 / 構造 / 機能 / X 線結晶構造解析 |
Research Abstract |
巨大な超分子のX線結晶構造解析における解析精度の限界と分子量の限界を克服する方法を確立することを目指している。具体的には、第1は「1.6Å分解能で分子量が42万のウシ心筋のチトクロム酸化酵素の結晶中の水素原子位置を決定できる方法を確立する。」ことと、第2は「分子量1300万の蛋白質、核酸複合体であるボルトの3Å分解能X線結晶構造解析によって非水素原子の座標を決定する。」ことである。いずれの課題においても、良質の結晶の調製法、精度の高い回折実験法、構造解析法の開発が求められている。 これまでにチトクロム酸化酵素の良質の結晶を調製するために、アニーリング法を適用して、1.5Å分解能の回折像を得た。精度の高い回折実験を行うためにSPring-8BL44XUの回折計にヘリウムパスを導入して低バックグラウンド化を行った。このビームラインで1.6Å分解能のデータ収集に成功して、現在構造解析を進めている。 ボルトの結晶構造解析では、3.5Å超える分解能の回折強度データを得た。ボルトはこれまで48回回転軸があると考えられていた。我々はこの度、ボルトは薄い殻を持ち、大きな空洞がある特殊な構造をしている。このような構造では、回転関数は必ずしも粒子の正しい対象を与えないことを明らかにした。新たに、粒子の対象を決める手順を考案して、ボルトが珍しい39回対称を持っていることを明らかにした。さらに、その構造を3.5Å分解能で構築し、構造の精密化を行っているところである。
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Research Products
(15 results)