2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16087206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 Osaka University, 蛋白質研究所, 特任研究員 (00032277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (00294132)
田中 秀明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (40346169)
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Keywords | 生体超分子 / 構造 / 機能 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
巨大な超分子のX線結晶構造解析における解析精度の限界と分子量の限界を克服する方法を確立することを目指している。具体的には、第1は「16A分解能で分子量が42万のウシ心筋のチトクロム酸化酵素の結晶中の水素原子位置を決定できる方法を確立する。」ことと、第2は「分子量1300万の蛋白質、核酸複合体であるボルトの3A分解能X線結晶構造解析によって非水素原子の座標を決定する。」ことなどである。いずれの課題においても、良質の結晶の調製法、精度の高い回折実験法、構造解析法の開発が求められている。 これまでにチトクロム酸化酵素の良質の結晶を調製するために、アニーリング法を適用して、15A分解能の回折像を得た。SPring-8BL44XUで16A分解能のデータ収集に成功して、現在構造解析を進めている。これまでに16A分解能のデータに水素原子の情報が有ることを確認した。 ボルトの結晶構造解析では、35A超える分解能の回折強度データを得た。新たに、粒子の対象を決める手順を考案して、ボルトが珍しい39回対称を持っていることを明らかにした。さらに、その構造を3.5A分解能で構造決定に成功した。ボルトの外殻は78分子の主ボルト蛋白(MVP)て構成されており、MVPは9個の繰り返しドメイン、肩ドメイン、キャップヘリックスドメイン、キャップリングドメインの12ドメインで構成されている。肩トメインはラフトに結合するドメインに特徴的な構造をとっており、緑膿菌に感染したときにボルトがラフトに集まることと符合している ヒトコネキシン-26ギャップ結合チャネルの構造を35A分解能で決定した。この構造解析においては、結晶の脱水による分解能の改善を行った。位相決定には同型性のわずかにずれた結晶も電子密度の平均に加えた。その結果、ギャップ結合チャネルとして最初の構造決定に成功し、今後の研究の要石となる構造を得た。
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Research Products
(32 results)