2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16087209
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
大村 敏博 National Agricultural Research Organization, 中央農業総合研究センター・昆虫等媒介病害研究チーム, チーム長 (20355499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一木 珠樹 農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・病害虫検出同定法研究チーム, 主任研究員 (70355501)
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Keywords | 生体超分子 / ウイルス / タンパク質 / 分子認識 / 植物病理 / 構造構築機構 |
Research Abstract |
イネ萎縮ウイルスと同属のイネ・ゴール・ドワーフ・ウイルスとの間において、ウイルス粒子を構成する構造タンパク質は、ウイルス合成工場の基本分子であるバイロプラズマの構成タンパク質のようなウイルス構築をサポートする非構造タンパク質に較べて、ウイルス間でその一次構造が高く保存されており、ウイルスのように多数の同種および異種分子によって高次構造を構築するためには厳格な三次元構造を持つ構造構築単位(building block)の形成が必要であるものと想定された。イネ萎縮ウイルスのP2タンパク質はウイルス粒子の二層目に配置されているが、本タンパク質は媒介昆虫細胞を融合させる機能を有することが判明した。 イネ萎縮ウイルスのP8タンパク質の3量体は径約590Åのチューブを形成するが、本チューブのクライオ電子顕微鏡像とX線結晶構造解析像とを組み合わせた疑似原子分解能構造解析によって、P8タンパク質3量体の横どうしの静電相互作用による復元力によって内殻粒子を穏やかに締め付ける力が、ウイルス粒子を超分子の状態に維持する根元的原理の一つであることを明らかにした。 イネ萎縮ウイルスのPns10タンパク質は径約85nmのチューブを構築し、その中をウイルス粒子が安全に近隣細胞に移行するための手段として使用されているが、本チューブは螺旋構造をしており、その内部にウイルスを固定し、チューブの伸長に伴ってウイルスも移行することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)