2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16087210
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 主税 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 脳神経情報研究部門, 研究グループ長 (00357146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 正晃 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (20356843)
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Keywords | タンパク質 / 3次元構造決定 / 電子顕微鏡 / ナノテクノロジー / 画像情報処理 / ニューラルネット / グリッドコンピューティング / クライオ電顕 |
Research Abstract |
我々の体の中では、様々な蛋白質が相互に作用して生理機能を営んでいる。その中には結晶を作製し難いものも存在し、単体での結晶作製が可能でも、大きな複合体を形成すると難しいことも多い。そのようなタンパク質でも精製さえできれば、結晶を必要としない電子線単粒子解析が可能である。単粒子解析は電顕法と画像情報学とを組み合わせた方法であり、我々は特に情報学的開発に力を入れ、様々な蛋白質の構造を決定した。 癌などの主原因の一つとして、酸化ストレスによる細胞の損傷か挙げられる。我々をこのストレスから守っている酸化ストレスセンサーであるKeap1は単体でも結晶を形成しないが、DCドメインのみだと結晶を形成する。そこから、X線によりβ-プロペラを主とする部分構造が解析された。さらに、我々はKeap1全蛋白構造を解明するために、このタンパク質を負染色後に撮影し、単粒子解析した。この2量体蛋白質は全体としてサクランボ状の形をしていた。その2つの房にはそれぞれ中心に小さな穴が上下に貫通しており、これかX線で解けたβ-プロペラの数Å径の穴に一致することがわかる。さらにその周囲を取り囲んでいるサクランボの実の表面にあたる膨らみ部分に、酸化ストレスを感知するSH基が存在して中のDCを制御することも推察された。 また、イオンチャネルは興奮・非興奮細胞での情報伝達に重要な分子である。これらの分子に関しても、免疫機構に必須なOrai1の構造を新たに解明した。さらに心筋の興奮制御や神経可塑性に特に重要なTRPC3チャネルに喘息治療薬ピラゾール化合物が結合する位置を決定した。
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Research Products
(27 results)