2006 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における火山罹災地の複合的資料による歴史的文化・自然景観の復元研究-北関東を中心に-
Project/Area Number |
16089203
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 章 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 教授 (10208704)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 正高 東京大学, 大学院・情報学環, 科学技術振興特任教員(特任講師) (30396858)
|
Keywords | 火山 / 榛名山 / 浅間山 / 画像資料 / 研究支援ツール |
Research Abstract |
昨年度に続き、本年度も日本有数の活火山であり、歴史時代には冷害や飢饉を引き起こした大噴火(「浅間焼け」)で知られる浅間山(群馬県・長野県)を主たる対象として研究を実施した。具体的には、昨年度作成した浅間山関連資料所蔵機関一覧から絵図資料を抽出して浅間山噴火に関する絵図資料のデータベースを作成し、新たに検索した絵図資料のデータを加えて、データベースを補完した。そして、浅間山関連資料所蔵機関一覧および絵図資料データベースをもとに絵図資料の所蔵機関において資料の確認・および保存状況の調査および撮影を実施した。 実際には、東京大学史料編纂所・東京大学情報学環図書室・東京大学地震研究所図書室・財団法人三井文庫・群馬県立文書館・群馬県立歴史博物館・東京大学地震研究所浅間火山観測所・軽井沢町追分宿郷土館に赴き、資料調査・撮影・および撮影フィルムの借用を行った。 具体的には、天明三年の「浅間焼け」に関する絵図の状態確認と採寸、デジタルカメラによる撮影を行った。調査対象となった関連資料は大型の軸装資料や彩色資料であるため、それぞれのコンディションデータを採取し、データベースに格納した。 借用した画像フィルムは135B/W482点・120B/W60点・135ポジ239点・120ポジ104点・4×5ポジ10点で、それぞれ4000dpi(135B/W)・2500dpi(120B/W・120ポジ)・2000dpi(4×5ポジ)の解像度でスキャニングしてデジタル画像に加工した。その上で、噴火の様子を描いた絵図類のデジタルデータを、文献資料などとリンクさせながら有機的に研究するための画像閲覧ソフトウェアで閲覧するためのデータとして集積した。 また、前年度に引き続き、基礎文献の収集に関しては、既に活字化され刊行されている浅間山噴火に関する書籍を、現在入手できる範囲で購入した。
|