2008 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における火山罹災地の複合的資料による歴史的文化・自然景観の復元研究
Project/Area Number |
16089203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 章 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 教授 (10208704)
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Keywords | 火山 / 浅間山 / 画像資料 / 研究支援ツール / デジタルアーカイブ |
Research Abstract |
昨年度に続き、日本有数の活火山である浅間山(群馬県・長野県)を主たる対象として研究を実施した。具体的には火山被災絵図の書誌データを作成しデータベースに集積し、研究支援ツール「文化資源統合アーカイブ」に統合した。同システムは操作性などを改良し、それぞれの画像データに電子付箋を付与し、地名、人名、釈文などの情報を記入した。さらに、火山絵図の公開状況を鑑み、「文化資源統合アーカイブ」から「iPalletnexus2」へシステムを移行し、データベースに集積された諸データも「iPalletnexus2」に統合した。 これらの蓄積されたデータをもとに火山被災絵図の主題、範囲、方角から分類し、研究報告「天明三年浅間焼け絵図からみる災害観と空間把握‐イメージと構図から-」(2008年人文地理学会大会)を行った。また、史料紹介「天明三年浅間山大焼絵図」(『関東近世史研究』第65号)では、前年度に調査した追分宿郷土館寄託「天明三年浅間山大焼絵図」の作成年代を探り、描かれたランドマークの意味を考察した。そして、国際シンポジウム「火山噴火罹災地の文化・自然環境復元」において、「天明3年浅間焼け絵図の主題と構図について」および「近世・近代における浅間山のイメージの変遷」を報告した。 ところが、2009年2月に浅間山が噴火して浅間山麓での史料調査・撮影作業が中断されたため、年度完了を2009年9月30日に繰越した。年度繰越後は史料分析および近世・近代における浅間山噴火に対する災害観についての考察を行い、その成果をポスター発表「Reconstructing the Mental Images on Mt. Asama Eruption in 1783」(第14回国際歴史地理学会)、研究論文「近世・近代における災害観と浅間山イメージ」(『東京大学大学院情報学環紀要情報学研究』)として発表した。
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Research Products
(7 results)