2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16090104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 俊行 Kyushu University, 大学院・法学研究院, 教授 (80186626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 健一 明治大学, 大学院・法務研究科, 教授 (20264004)
茶園 成樹 大阪大学, 大学院・高等司法研究科, 教授 (30217252)
島並 良 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20282535)
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Keywords | 知的財産権 / 国際裁判管轄 / 準拠法 / 外国判決承認執行 / 国際訴訟 / 属地主義 |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度であり、著作権班および国際民事訴訟法班と共同で進めてきた、知的財産権に関する準拠法、裁判管轄、外国判決承認執行に関する立法提案を取り纏めること、それをベースにマックスプランク研究所のメンバーと国際シンポジウムを開催して議論すること、その成果を日英両語で出版することを中核にすえて研究を行ってきた。前年度から平成21年4月にかけて集中的に内部の研究会を重ね、同年5月に開催した国際シンポジウムは、アメリカ法律協会策定にかかる原則案の提案者の1人であるデスモンテ教授、マックスプランク研究所所長バセドウ教授ほか4名のゲストスピーカー、知財高裁の裁判官、知財を専門とする弁護士、情報工学の研究者を交えた会議となり、きわめて充実した議論を重ねることができた。このシンポジウムでは、すでに公刊されているアメリカ法律協会の案を参考としつつ、マックスプランク研究所案と我々のグループの立法案を対比する形で議論が進められた。マックスプランク案は、各国国内法のモデルとしての通用性もあり、同時に普遍的に妥当性をもつ原則案として起草されている一方、我々の立法案はあくまで国内法の立法提案であることからくる本質的な相違はあるが、知的財産権を属地主義の枠に閉じ込めない、複数訴訟はできるだけ単一の法廷地で取り扱う、という方向性に共通点を見出せた。その後マックスプランク研究所主催のワークショップにメンバーの一人が出席し、さらに意見交換を重ねた。これと並行してこのシンポジウムの成果を取りまとめ、日本語および英語で刊行する準備はすでに完了し、原稿はそれぞれ出版社に提出済みである。平成22年6月ごろの出版を予定している。
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