2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16090204
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中野 俊一郎 Kobe University, 大学院・法学研究科, 教授 (30180326)
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Keywords | 仲裁 / 国際仲裁 / 国際私法 / ADR |
Research Abstract |
昨年度に開始した、米国実務家との仲裁判例に関する共同研究を継続し、仲裁専門誌上で成果を公表した。同時に、共同研究の成果を基礎として、日本の仲裁法の概要ならびにQ&Aを英語で共同執筆し、外国に向けた情報発信という見地から、特定領域研究のHP上で公表した。 台湾の研究者と、日本・台湾間での国際仲裁事例について共同研究を行い、その成果として、台湾でしばしば用いられる選択的仲裁条項の有効性や危険性を明らかにし、ドイツの記念論文集に寄稿した。 国際仲裁と仲裁判断取消・執行訴訟の関係、そこで仲裁地という連結点が果たす役割について比較法的見地から研究し、青山善充教授古稀記念論集に寄稿した(本年4月公刊予定)。仲裁と保全命令の関係いついては、国際民事保全研究会で判例研究を行い、仲裁地の裁判所に保全命令権限を委ねることの合理性を指摘し、仲裁専門誌に寄稿した。 目下、日本で進行している国際裁判管轄の立法作業に関連して、国際契約事件の管轄規整のあり方を取り上げ、国際私法学会で報告した。そこでは、主としてヨーロッパ法との比較という見地から、義務履行地管轄の正当性とそこで契約準拠法が果たすべき役割を再評価し、従来の通説を批判した上で、立法論的提言を行った。これに関する研究論文は、次の国際私法年報(5月公刊予定)に掲載される。 知的財産事件に関する外国判決承認・執行のあり方について、米国ALIの原則を批判的に検討し、それに代わるべき立法論を検討し、日韓国際私法シンポジウムで報告した。研究論文は現在作成中であり、本年秋頃公表する予定である。また、日本・韓国がルガノ条約に加入する場合の手続やその問題点について検討し、韓国大法院におけるシンポジウムで報告した。
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Research Products
(12 results)