2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際的企業活動における外人法上の規則の会社法・国際私法の観点からの比較法的研究
Project/Area Number |
16090206
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大杉 謙一 中央大学, 法務研究科, 教授 (80233112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釜谷 真史 西南学院大学, 法学部, 助教授 (30363302)
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Keywords | 国際会社法 / 外人法 / 会社法制の現代化 / 新会社法 / 擬似外国会社 / 認許 / 外国会社 / 準拠法 |
Research Abstract |
1.外人法規制の法文上の整理 外人法(外国的要素を有する者による財産権の取得や事業活動等を規制・監督する法)についての現行法上の規制を、平成16・17年度に、その法源や対象に着目して整理した。外人法については、平成17年の会社法制定の際に擬似外国会社に日本商法を適用するルールの撤廃が有力に議論されたが、われわれは、完全撤廃は質の低い設立準拠法が世界に拡散させる恐れがあると指摘し、この指摘は会社法の制定に反映された。 2.法人に関する外人法適用の理論的メカニズムの解明 外人法の適用場面の整理について、17年度に引き続き内外会社の区別に関する議論を整理した。民商法学者は、内国法上内国で成立した「内国法人」を会社法の規律対象とするが、外国法人組織内部の問題が内国で争われる局面を念頭に置いておらず、外国法人を専ら取引の相手方として問題とした。国際私法学者においても、「設立準拠法」として外国法人の内部に関する準拠法を問題とするようになったのは近時である。以上から、従来の会社法外人法は取引相手方としてのみ「外国法人」を想定しているとみるべきであり、組織内部問題と外国法人の関係については民商法・国際私法双方から、新たに理論構築すべきであるとの知見を得た。 また、外人法一般の国際私法における位置づけについて1930年代の論稿に遡り整理を進めた。近時、絶対的強行法規と同様の意味合いで、準拠法ルールとは別のルートで適用範囲を考える見解が多数であるが、歴史的には準拠法ルールで内国法が準拠法とされたときに実質法の一部として適用されるという理論も存在した。この点については、平成19年度も引き続き検討を進める。
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Research Products
(2 results)