2006 Fiscal Year Annual Research Report
手話の認知・認識特性に基づく手話画像表示条件の最適化
Project/Area Number |
16091203
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森本 一成 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00127169)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 純大 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (90352567)
|
Keywords | 手話アニメーション / 画像表示条件 / 手話認知 / 手話翻訳 |
Research Abstract |
携帯電話のような小型画面から投影型の大型画面まで、様々なディスプレイが実用化され自由に利用できつつある。しかし、これらに手話画像(アニメーション)を表示した場合、どのような表示条件を満たせば手話画像が容易に読み取れるのかについては十分知られていない。このため、手話の認識・認知に適した表示条件を求める実験を行った。用いた手話アニメーションは、筆者らがこれまでに開発してきたもので、入力された日本語を手話文に変換し、それを手話コードに変換することで画像を生成するものである。 ディスプレイの表示条件を表示サイズ(5種類),解像度(3種類),フレームレート(3種類)の3つとした。これらを組合せた条件において、聴覚障害者を被験者として手話単語の読取り実験を行った。使用した単語は前後に文脈情報のないもので合計13単語である。これらはKOSIGNVer.2より選出した。手話単語を連続して2回提示し、その意味を回答用紙に記入させた。表示ディスプレイと被験者の距離を,画像の見え方が自然だと思われる視距離を設定したもの(一定視角)と、距離を60cmの一定に保ったもの(一定視距離)の2種類の条件下で行った。得られたデータから無回答を除き、正答率を算出した。各表示パラメータに対する正答率は若干ではあるが上昇する傾向が見られ、一定視角の場合の平均正答率は85%以上、一定視距離では80%以上であった。特に、一定視角の場合では表示サイズ5×4[cm]は解像度、フレームレートの影響が見られず,読取りが難しいことが示された。表示サイズ10×8[cm]以上ではフレームレートの効果が見られなかった。正答率が80%以下の場合、解像度を高くすることで約90%以上の正答率が得られた。次に、手話文を提示した時の読取り実験を行い、フレームレートの影響の小さいことがわかった。
|