2004 Fiscal Year Annual Research Report
認知特性を考慮した手話の効率的な動画像通信方式に関する研究
Project/Area Number |
16091209
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
長嶋 祐二 工学院大学, 工学部, 教授 (50138137)
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Keywords | 認知科学 / 手話情報工学 / 画像評価 / 動画像符号化 / 情報福祉 / コーパス |
Research Abstract |
本計画研究では、聴覚障害者の情報通信端末を介したコミュニケーション支援を目指し、工学ならびに認知科学的側面から手話の生成・符号化・通信に必要な基礎的な諸技術の研究開発を推進させることを目的とする。本年度は、既存コーパスを基に認知科学的解析、手話画像通信、画像・電子・生理コーパスの収集方法について検討を行った。実際の解析は、分析能力の高いろう者やコーダなど複数の協力者と共に共同作業で行った。手話画像通信では、自然な対話を成立させるための画像サイズ、フレーム数について認知的側面から分析を行い、通信画像の評価法について検討を行った。さらに、前年度までのコーパス収集の成果を基に、本特定領域"聴覚班"の他の計画研究や評価用言語コーパスとしての性能をもった実映像による手話コーパスの収集・蓄積方法の検討を行った。以下に本年度得られた主な結果を示す。 1)手話通信のための、各種画像の伝送パラメータの関係を手話母語者による評価実験を行なった。手話による画像通信では[時間解像度≫空間解像度]が重要であるという結論を得た。結果はヒューマンインタフェースが学会論文誌に掲載された 2)対話の認知メカニズム解析のための映像と電子データと生理データによるコーパスを収集した。また、得られたコーパスを分析することにより音声言語獲得者と手話を母語とするろう者の呼吸パターンの違い、手話母語者と非母語者の頷きリズムの違いを明確にした。 3)MS-NMS抑制手話による情報伝達を目的とした対話コーパスの収集を行なった。今年度はこの頷きに関する分析を行なった。 4)手話が言語であるための事象関連電位N400観測のための例文集の収集ならびに撮影を行ない、次年度の脳波計測の準備を行なった。 5)対話における伝送路遅延の影響分析のための、装置の設計ならびに科研により特型装置を購入(特型)し、伝送路などの影響による遅延分析を行なうための対話実験方法を検討した。
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