2006 Fiscal Year Annual Research Report
認知特性を考慮した手話の効率的な動画像通信方式に関する研究
Project/Area Number |
16091209
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
長嶋 祐二 工学院大学, 情報学部, 教授 (50138137)
|
Keywords | 認知科学 / 手話情報工学 / 画像通信 / 事象関連電位 / 情報福祉 / コーパス / コミュニケーション支援 |
Research Abstract |
本計画研究では、聴覚障害者の情報通信端末を介したコミュニケーション支援を目指し、工学ならびに認知科学的側面から手話の生成・符号化・通信に必要な基礎的な諸技術の研究開発を推進させることを目的とする。本年度は、伝送路などの遅延を考慮した手話画像通信、コーパスの収集について、主に検討を行なった。手話対話の単語抽出などのアノテーション作業には、分析能力の高いろう者やコーダなど複数の協力者により分析基礎データの作成を行なった。以下に本年度得られた主な結果を示す。 1)手話単語の弁別的特徴、形態素分析を通して生成や認識のための記述法の検討を行ない、sGINDEX V3へ反映させた。 2)手話通信のための、遅延の影響の評価手法の検討を行い、NASA-TLXによる心的負荷を計測するシステムを構築し、その有効性を示した。 3)手話の認知メカニズム解析のための事象関連電位N400計測、および注意機構からの視覚認知特性の解明から、脳内のモダリティの違いを示した。 4)NVGSモデルと弁別的特徴からの手話アニメーション生成方法の検討をおこない、BoT3Dエンジンによる弁別的特徴を用いる手話合成エディタの開発を行なった。 5)アニメーション生成のための電子データベースKoSign Ver.3用のデータ収集ならびに、このデータを用いたBoT3D手話単語ライブラリを公開した。 最終年度として、特定領域「情報福祉の基礎」成果報告会で報告するとともに、成果報告書の作成なども行った。 尚、本研究を通して得られた成果は、電子情報通信学会論文誌・学会誌などに掲載された。さらに、遅遅延検知限や対話メカニズムは、昨年のICCHP2006で発表を行ない関心を集めた。手話のシャドーイングメカニズムは、国際会議(AAATE2007)に採択され発表準備中である。 以上のように、本年度研究目的、実施計画ならびに研究期間を通し、十分な成果を得ることができた。
|