2006 Fiscal Year Annual Research Report
幾つかの画像関連問題の計算複雑度の解析と効率的な解決法の提案
Project/Area Number |
16092209
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浅野 哲夫 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90113133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 隆平 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (00256471)
元木 光雄 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (20345656)
小保方 幸次 一関工業高等専門学校, 制御情報工学科, 助教授 (50303326)
河村 泰之 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助手 (80369967)
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Keywords | アルゴリズム / 計算幾何学 / 画像処理 / 指紋認識・同定 / ディスクレパンシ |
Research Abstract |
最近のディジタルカメラに代表される画像入力装置の普及に伴い、計算機で画像を処理する機会が飛躍的に増大しているが、入力装置の性能向上は必然的にデータ量増大を招き、素朴なアルゴリズムでは妥当な時間内に処理することが困難になりつつある。将来を展望したとき、データ量の爆発により処理不能に陥る危険性があり、今のうちに計算量の理論に基づいて計算困難度を数学的に解析し、それに基づいてアルゴリズムを開発することが急務である。このような観点から、本研究では、アルゴリズム理論の立場から画像に関連する諸問題に取り組んだ。学術的にはコンピュータビジョンやコンピュータグラフィックスの分野がこれに密接に関連しているが、これらの分野では問題を数学的に定式化して、その計算複雑度を解析することは余り一般的ではない。むしろ、計算機実験を通して人間の目視による判断が優先される傾向にある。本研究では画像に関連する様々な問題について、その本質を数学的に定式化することから始めて、計算複雑度を解析し、最終的には効率の良いアルゴリズムを開発することを目指している。 指紋認識と同定に関する研究では、指紋形状が指圧により変形する点に注目し、このような弾力変形にも頑健なアルゴリズムの開発を行った。具体的には、多数の関数の中から最適な組合せを選んで弾力変形を近似するという方法であるが、実験の結果も非常に良好であった。この成果は世界的に権威の高い国際会議で発表するとともに、国際ジャーナルでも発表している。また、画像処理への応用として重要なオンラインディスクレパンシに関しても世界で初めての成果を挙げることができた。従来の理論では、ディスクレパンシの基準を満たす一様な点集合を作り出すことが目標であったが、本研究では点を追加していくどの段階でも一様性の基準を守ることができる新しい方式を開発した。この結果はジャーナル誌に発表している。さらに、ボロノイ図の一般化についても研究を行った。これは従来の2等分線を3等分曲線に置き換えるもので、重要な基礎研究として注目を集めた。
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