2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブール理論に基づく離散システムの構造解析と計算限界の研究
Project/Area Number |
16092217
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 和久 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教授 (60294162)
|
Keywords | アルゴリズム / フロー / 辺ランキング |
Research Abstract |
社会システムや産業活動などに関連して現れる生産計画,環境計画,スケジューリング,最適投資などを始めとする重要な問題の多くは,ブール理論,あるいは,擬ブール理論に基づく離散システム上の問題として捉えることができる.例えば,線形計画問題(LP)も,有向マトロイドを用いて,擬ブール理論に基づく離散システム上の問題と見なせる.本研究では,これまで申請者が培ってきた(擬)ブール理論,劣モジュラ関数による構造解析手法を用いて,離散システムの有用な構造的性質の抽出し,その性質を利用することで,計算限界を明らかにすること(高速アルゴリズムの開発,および,計算量下界の提示)を試みてきた. 本年度の成果は,木構造動的ネットワーク中の最速フローを求める問題と最速に流すための施設配置問題に対する高速アルゴリズムを構成した.また,高速な並列処理に関連する最小辺ランキング全域木問題に対して,与えられたグラフがスプリットであるとき,高速なアルゴリズムの開発に成功した.それ以外には,平面上を動くロボットのスケジューリングに関連する問題に対するアルゴリズム論的成果、ならびに,ノース配置問題や外部ネットワーク問題などのネットワーク設計問題に関連する正モジュラ関数の最小横断問題に対する知見を得た.
|