2004 Fiscal Year Annual Research Report
組み合わせ最適化における指数サイズ・多項式時間近傍の設計
Project/Area Number |
16092226
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉木 久夫 明治大学, 理工学部, 教授 (20111354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 幸洋 明治大学, 理工学部, 助教授 (60201307)
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Keywords | 組み合わせ最適化 / 局所探索法 / 巨大近傍 / 多項式時間アルゴリズム / グラフ / 分枝分割 / ハードウェア化 / FPGA |
Research Abstract |
本課題では、組み合わせ最適化問題に対する指数サイズの近傍のアプローチをテーマにしている。おもに、次の3つの方向から研究を進めている。 (A)一般的、基礎的な技法およびそのための理論 (B)具体的な問題に対する近傍と解法の設計と実装 (C)解法のハードウェア化ないし準ハードウェア化 (A)において、技法の核にあるのは、グラフやハイパーグラフの再帰的分割であり、幅の小さい木分割や分枝分割を効率的に求めることが重要になる。特にこの研究では、実装のしやすい動的計画法の基礎となる分枝分割を多用している。一般のグラフの場合には、最適の木分割や分枝分割を求める問題はNP困難であるが、平面グラフの場合には、分枝分割を求める$O(n^4)$時間のアルゴリズムが知られていた。今年度は、海外研究協力者であるQiangping Guと共にこの計算時間を$O(n^3)$に改良することに成功した。 (B)においては、巡回セールスマン問題、メッシュ最適化問題に対して具体的な研究を行い、クリーク被覆、集合被覆問題などの被覆系統の問題に対して予備的な検討を行った。巡回セールスマン問題については、これまでに追求して来たグラフ分割に基づくアプローチをいったん休止して、文献にあるさまざまな指数サイズ近傍の実験を行った。(ピラミッド近傍、マッチング近傍、Ballas-Simonetti近傍など)。その結果、近傍の大きざと、それによって得られる局所最適解の良さには直接の関係がないことが再確認された。いずれも方法も、他の代表的な発見的解法に劣る結果となっており、近傍の設計手法の重要さを再認識した。質の良い近傍を設計するためには、問題のグラフ構造を利用する必要があることを再確認し、ふたたびグラフ分割に基づくアプローチへ戻ることになった。メッシュ最適化については、グラフ分割に基づいた一般的な近傍の設計を行い、それをメッシュ最適化を単純化したグラフ描画問題と、地形図の簡略化問題に適用して実験を行った。 (C)については、予備的な考察と使用する技法についてFPGAを中心に研究を行った。
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