2006 Fiscal Year Annual Research Report
組み合わせ最適化における指数サイズ・多項式時間近傍の設計
Project/Area Number |
16092226
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉木 久夫 明治大学, 理工学部, 教授 (20111354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 幸洋 明治大学, 理工学部, 助教授 (60201307)
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Keywords | 組み合わせ最適化 / 局所探索 / 大規模近傍 / 近傍内最適化 / グラフ分割 / 木分割 / 分枝分割 / 動的計画法 |
Research Abstract |
本課題では、組み合わせ最適化問題に対する指数サイズの近傍のアプローチをテーマにしている。おもに、次の3つの方向から研究を進めている。 (A)一般的、基礎的な技法およびそのための理論 (B)具体的な問題に対する近傍と解法の設計と実装 (C)解法のハードウェア化ないし準ハードウェア化 (A)において、技法の核にあるのは、グラフやハイパーグラフの再帰的分割であり、幅の小さい木分割や分枝分割を効率的に求めることが重要になる。特にこの研究では、実装のしやすい動的計画法の基礎となる分枝分割を多用している。一般のグラフの場合には、最適の木分割や分枝分割を求める問題はNP困難であるが、平面グラフの場合には、分枝分割を求める多項式時間のアルゴリズムが知られている。我々はこれまでの研究で、この分枝分割アルゴリズムの計算時間を0(n^4)から0(n^3)に改良することに成功している。今年度は、前年度に引き続きこのアルゴリズムを効率的に実装するための研究を行った。 (B)においては、巡回セールスマン問題、平面グラフの低縮退描画問題、集合被覆問題に対して具体的な研究を行った。巡回セールスマン問題については、グラフ分割に基づいた動的計画法による平面グラフ巡回セールスマン問題の解法プログラムを公開可能な形に整備した。この解法プログラムを近傍内最適化に用いることを前提に、平面ユークリッド距離巡回セールスマン問題に対する指数サイズ近傍の設計を行い、種々の案について実装と実験をおこなった。集合被覆問題においては、近傍内最適化の方法として集合と要素の関係を表す木分割に基づいた動的計画法とハイパーグラフの分枝分割に基づいた動的計画法を実装し、実験を行った。 平面グラフの低縮退描画問題については、素朴な小近傍局所探索アプローチと指数サイズ近傍アプローチの比較実験を行い、後者の方が計算時間はかかるものの、描画の質において大きく優る解を得ることができることを確認した。 (C)については、巡回セールスマン問題の近傍内最適化のための動的計画法で用いる解の合成関数の部分について準ハードウェア化のための予備的な実験を行った。また、準ハードウェア化で用いるルックアップテーブルの技法等の基礎的な研究を行い成果を挙げた。
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