2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16092227
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
宇野 毅明 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 助教授 (00302977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 眞一 群馬大学, 工学部情報工学科, 助教授 (30227855)
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Keywords | 列挙 / アルゴリズム / 頻出集合 / 飽和集合 / 計算量 / 高速化 / グラフ / 木 |
Research Abstract |
今年度の研究は、主にデータマイニングの問題と、幾何学的な構造に対する実践的なアルゴリズムの開発と実装に焦点を当てた。 データマイニングにおいては、頻出集合列挙に対して高速なアルゴリズムの開発とその実装を行った。この問題に対する既存のアルゴリズムは計算量的には効率の良さが保証されておらず、メモリ効率も良くなかった。対して本研究の実装は、理論的な効率良さが保証されており、かつメモリ使用量も少ない。実装上有用なアルゴリズム技術の開発も行い、非常に効率の良いアルゴリズムとなった。このアルゴリズムの実装は、今年度のデータマイニングのプログラミングコンテストで優勝し、実装における列挙アルゴリズムの重要性を再確認することとなった。 また、頻出木構造列挙問題に使用されるcolored treeの列挙アルゴリズムの開発も合わせて行った。既存のアルゴリズムは、場当たり的な合併によって全ての木を生成するが、このアルゴリズムは完全かつシンプルな探索法を用いて全てのcolored treeを列挙できる。理論的な計算量も小さく、かつ構造がシンプルである。実践的なアルゴリズムの満たすべき要件を満たすことができた。 また、L字形描画、多面体の数え上げ、リアライザなど、幾何学的な構造に対する列挙アルゴリズムも多数開発した。これらの構造は最適化やシミュレーションを行う際の取り扱いがそれほど簡単でなく、このような列挙法が存在することが現実的なツールの開発にとって重要である。これらのアルゴリズムも高速な上にシンプルで実装が容易であり、実践的なアルゴリズムと言える。
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