2005 Fiscal Year Annual Research Report
MR画像による生体内標識幹細胞の無侵襲追跡技術と再生医療への応用
Project/Area Number |
16100006
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 茂廣 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 助教授 (60220042)
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20207533)
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
森田 将史 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 特任助手 (30381594)
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Keywords | MRI / 細胞標識 / 分子イメージング / 幹細胞 / 常時性鉄粒子 / ナノ粒子 / 近赤外 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
前年度に導入されたマイクロイメージングシステムとマウスの脳に特化した信号検出器の製作により、サルをはじめ小動物のマウスまで、多様な動物の高精細の磁気共鳴画像(MRI)が得られるようになった。この動物実験用MRシステムを活用し、磁気標識移植細胞の追跡を行った。 今年度は細胞標識剤の新たな開発をてがけた。これまで、標識剤には超常磁性酸化鉄のナノ粒子(SPIO)である市販のMR陰性造影剤を用いてきたが、細胞内での長期にわたる滞留により、被覆のデキストランが変性し、鉄製剤が暴露する可能性がある。この結果、鉄イオンが細胞質内に溶解し、過酸化物を誘発して細胞に毒性を与える危険性が危惧された。そこで、新たにシリカの薄層でコーティングされた磁気ナノ粒子を利用することに至った。このナノ粒子は、培養液との親和性はないものの、短時間では水への分散性が良く、この間にウイルスの膜エンベロープへ取り込ませることにより、目的の細胞へ輸送することができた。ことに、我々がこれまでに開発してきた、センダイウイルスのベクターは、磁気粒子の輸送効率が非常に良く、アストロサイトやPC12などの神経系細胞の標識が可能であった。また、ラットやマウス脳内への移植後のMRIによる検出の効率も、市販の造影剤と遜色がなく、7テスラMRIにて数少ない標識細胞を鋭敏に検出できることが明らかとなった。但し、この磁気粒子の皮膜は酸性では溶解せず、組織の染色では検出が難しい。 実験細胞としてはミクログリアを取り上げ、アルツハイマー病モデルのラットに応用した。MR造影剤であるSPIOで標識したミクログリアを静脈から投与すると、アミロイドβが投与された脳の部位に選択的に集まり、反対側の生理食塩を投与した部位やその他の脳全体には、特異な集積は観察されなかった。この結果、ミクログリアが老人斑に選択的に集積することが確認された。
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Research Products
(6 results)