Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 茂廣 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 准教授 (60220042)
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20207533)
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
森田 将史 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (30381594)
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Research Abstract |
昨年度はから合成を手掛けたMR、光計測用バイ、モーダル細胞標識のためのシリカをベースにしたナノ素材を開発した。これまでのMR標識剤には市販のMR陰性造影剤である超常磁性酸化鉄のナノ粒子(SPIO)が利用されてきたが,細胞内での長期にわたる滞留では,細胞さらには生体への毒性が危惧され,長期間の継続観察には適さなかった。そこで,SPIOを核(コア)に,シリカのゾルで被覆する直径50-100nmのナノ粒子を作成した。このシリカ被覆には可視光から近赤外光の蛍光波長を持っ,フルオロセイン(FITC),Cy3,Cy5,Cy5,5,Cy7など多様な色素をドープさせた。 このナノシリカ粒子は,表面の電荷を調整することにより,水への分散性がきわめて良く,遺伝子導入に用いられるセンダイウイルスのベクターへ取り込ませることにより,様々な細胞の壁内へ効率よく移送することができた。実験細胞としては様々な腫瘍細胞を取り上げ,NIH3T3,HTC116,HeLa,293FTなどの培養細胞の標識が達成できた。これらシリカナノ粒子の細胞に対する影響をMTT法で調べた結果,軽度の毒性は検出されるものの,数週間に及ぶ細胞追跡の計測には支障がなかった。また,この標識細胞をマウスへ移植後のMRIによる検出の効率も,これまでの市販の造影剤と遜色がなく,7テスラMRIにて数少ない標識細胞を鋭敏に検出できることが明らかとなった。さらに,Cy5.5およびCy7の色素を含有する標識では,近赤外蛍光による生体計測も可能になった。
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