2008 Fiscal Year Annual Research Report
MR画像による生体内標識幹細胞の無侵襲追跡技術と再生医療への応用
Project/Area Number |
16100006
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
犬伏 俊郎 Shiga University of Medical Science, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 茂廣 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 准教授 (60220042)
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Keywords | MRI / 細胞標識 / 分子イメージング / 幹細胞 / 常時性鉄粒子 / ナノ粒子 / 近赤外 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
細胞標識用にシリカをベースにした磁性と蛍光の信号機能を併せ持つMR・近赤外(NIR)両用の標識ナノ素材の開発を手がけた。このナノ素材の粒子径制御は出発物質のケイ酸化合物と脱水縮合剤のアンモニウムの濃度、ならびに、溶媒体積の調整で可能になり、30nm-1・mの粒子径を持つ任意のナノ粒子が合成できるようになった。さらに、最大輝度の蛍光を発するようにシリカ層内の色素濃度を検索し、また、MRI追跡が最も容易になるように常磁性酸化鉄の仕込み量を最適化した。この標識剤は有機系蛍光色素を採用したため、可視領域の緑色(520nm)から近赤外領域、850nmに至る広範囲の蛍光色素が選択でき、細胞レベルから生体での細胞標識に利用できる。このナノシリカ粒子は水への親和性が極めて高く、生体への適合性にも優れていることが分かった。ただし、センダイウイルスの膜エンベロープへ取り込ませて、293FTやHCT116などの腫瘍細胞の膜内に移送したところ、蛍光及びMRに対する細胞の標識化が容易に達成できた半面、細胞自体へのわずかな毒性がMTTアッセイなどで検出された。このような、MR・NIR対応バイモーダル標識剤でラベルした腫瘍細胞をマウスやラットなどに移植すると、3週間以上の長期間にわたって繰り返し移植細胞からの蛍光観察が可能であり、MRIの計測では1カ月以上追跡できた。したがって、シリカ層で包埋した蛍光色素は生体内において、周りの化学物質との反応や酸素分子による酸化反応によって分解が抑制され、長期間にわたって蛍光漂泊などによる信号強度の劣化が小さく、また、磁性ナノ粒子の常磁性も劣化することなく、両計測法による標識剤として機能し,MR・NIRバイモーダイメージング法のプローブに利用できると考えられる。
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Research Products
(5 results)