2004 Fiscal Year Annual Research Report
南極海の海洋生物生産過程と地球規模環境変動に関する研究
Project/Area Number |
16101001
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
福地 光男 国立極地研究所, 極域情報系・極域研究資源センター・センター長, 教授 (80099936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小達 恒夫 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (60224250)
平譯 享 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (70311165)
谷村 篤 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10125213)
渡邉 修一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター・海洋大循環観測研究プラグラム, グループリーダー (00167131)
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Keywords | 南極海 / 海洋生物生産 / 磁化ジメチル / 地球規模 / 環境変動 |
Research Abstract |
本研究では可能な限り南極海における現場観測航海に参加し、地球規模環境変動に大きく関与すると考えられるガス成分の生成と海洋生物生産過程との関連を明らかにすることである。平成16年度は東京海洋大学所属の海鷹丸の南極研究航海に合計4名の研究分担者と研究協力者が乗船した。平成16年12月31日に南アフリカ、ケープタウンを出港し、南極・昭和基地へ向かう航路上で航走・停船観測を実施した。昭和基地沖合い海域では翌年1月6日から13日にかけて集中的な観測を行った。沖合い海域では各種培養飼育実験を行い、ナンキョクオキアミを含む動物プランクトンが植物プランクトンを摂食する際に、植物プランクトン細胞内で生成された硫化ジメチル(DMS)が細胞外へ放出される過程に関する量的評価の基礎となるデータを得た。海中に放出されたDMSは大気中に放散したあと、いくつかの過程を経てエアロゾル生成に大きく関与するといわれており、航海中はエアロゾルの連続観測も行われた。これらの観測は、昭和基地における第45次南極観測越冬隊による観測とも連携しており、海洋起源の現象と昭和基地での通年連続観測結果との総合的な解析の基礎的なデータが始めて得られた。沖合い海域での観測後は西オーストラリア・フリーマントルへの1月25日入港まで航路上で航走・停船観測を実施した。海鷹丸は平成17年度も南極観測航海が計画されており、今年度の航海後直ちに来年度への諸準備を開始した。今年度の航海の前後には関連の国内外の研究集会などにおいて、実施計画の討議、また、観測成果の速報を発表した。当初オーストラリアから研究者を招聘する計画であったが、これら集会の機会を利用して実質的な討議を行ったため招聘旅費の使途はなかった。本研究課題の推進のため、平成16年12月から翌年3月まで研究支援者を雇用し、特にプランクトン標本やデータの一次処理を実施したため、当初予定した謝金の使途は発生しなかった。
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Research Products
(11 results)