2007 Fiscal Year Annual Research Report
森林樹木種および外生菌根菌種の網羅的分子遺伝解析と分子生態データベースの構築
Project/Area Number |
16101008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宝月 岱造 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10107170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
練 春蘭 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (40376695)
後藤 晋 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (60323474)
奈良 一秀 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教 (60270899)
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Keywords | マイクロサテライト(SSR) / 花粉親・種子親 / 倒木更新 / ニセアカシア / 外生菌根菌 / 遺伝構造 / 葉緑体SSR / 栄養繁殖と種子繁殖 |
Research Abstract |
今年度は、共優性多型マイクロサテライト(SSR)マーカーを用いていくつかの種でマーカー作製を行うと共に、これまでに採集した試料の解析を進めた。主な成果は、以下の通りである。 樹木の繁殖特性解析:(1)千葉県東浪見海岸のクロマツ防風林におけるニセアカシア個体群の繁殖特性を検討した。その結果、個体群の繁殖は、ほとんど栄養繁殖に因って支えられており、それによって形成されるジェネットは、極めて大きいことが解った。また、ジェネット間の境は比較的スムーズなことから、ジェネット間に排除的相互作用があることが推定された。(2)核SSRマーカーと葉緑体SSRマーカーを用いて倒木上に更新したトドマツの実生・稚樹の親子解析を行い、種子散布および定着パターンを明らかにした。(3)ヌルデのSSRマーカーを作製し、放棄草原に定着したヌルデ個体の多型解析を行った。その結果、種子繁殖とともに旺盛に栄養繁殖していることが分かった。(4)富士山火山荒原優先種フジアザミのSSR多型解析を行った。その結果、幅広く種子散布あるいは花粉散布を行っていることがわかった。 外生菌根菌の繁殖特性解析:(1)富士山火山荒原に発生する外生菌根菌ハマニセショウロの子実体を採集し、7年前に同所で採集した子実体試料とともに、ジェネット解析を行った。その結果、この菌種ではかなりのジェネットが、同所的に7年間維持されることが示された。(2)富士山火山荒原に生育する12外生菌根菌種の胞子を採集し、胞子発芽率と胞子感染率を調べた。その結果、宿主のミヤマヤナギの発達初期に定着するタイプの菌の胞子発芽率、胞子感染率はともに高いが、後期に定着するタイプの菌では低く、菌の生態的特性に応じて胞子の活性が異なることが解った。(3)東浪見海岸に発生した子実体直下の菌根菌群集がどのように変化するかを、ITS領域のT-RFLPによる種同定法を用いて、半年にわたって調べた。その結果、菌種に依存して多様な変化が観察された。
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Research Products
(28 results)
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[Book] Quantification of nitrogen transfer between plants linked by mycorrhizal networks. In: Mycorrhizal Manual (2nd edition) Ajit Varma ed.
Author(s)
He, X. H., Critchley, C., Nara, K., Southworth, D., Bledsoe, C. S.
Publisher
Springer-Verlag, Germany(掲載確定)
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