2007 Fiscal Year Annual Research Report
歴史学的視角から分析する東アジアの都市問題と環境問題
Project/Area Number |
16102002
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
妹尾 達彦 Chuo University, 文学部, 教授 (20163074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新免 康 中央大学, 文学部, 教授 (10235781)
新宮 学 山形大学, 人文学部, 教授 (30162481)
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50183067)
橋本 義則 山口大学, 人文学部, 教授 (60164802)
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Keywords | 東アジア / 都市史 / 環境史 / 都城 / 比較分析 |
Research Abstract |
今年度は中間評価の指摘を受けて、以下の3点に重点をおいて研究を進めた。 1.各研究者個人の研究テーマを、本科研の大きな研究テーマに総合できるように、統一テーマを定めて、国内外で、数回の研究会・シンポジウムを開催したこと。 2.東アジアの各地域の実地調査を、より広範囲に、かつより内容深く行えるように、海外の研究協力者や現地の研究者と密接に連携を保ちながら実施したこと。 3.研究成果を、すみやかに、質量ともにそなえた形で公刊できるように心がけたこと。 上記の1に関しては、以下のような成果を得た。 海外共同研究者を日本に招へいして3回のシンポジウムを開催、北京大学の辛徳勇教授、韓茂莉教授、栄新江教授を、順番に日本にお招きし、中央大学と東洋文庫において、公開のシンポジウムと講演会を開催した。公開シンポジウムのテーマは、「農業-遊牧境界地帯の生態環境史」「文献学から見た中国都市史研究の現在」「長安・洛陽史研究の新展開」等である。これらのシンポジウムには、科研研究組織以外の国内外の複数の研究者も招へいして、現在における研究の水準を示せるように企画した。2008年3月には、西安でも中国都城史の国際シンポジウムを開催した。これらのシンポジウムの討論によって、本科研の総合テーマである「東アジアの都市と環境の歴史」を多角的に分析した。 上記の2に関しては、以下のような成果を得た。 海外調査は、2007年9月と2008年3,月に2回実施した。調査地は、東アジアの都市と環境の歴史を考える際に鍵となる、農業地域と遊牧地域の境界地帯の都市と農村である。北京から西安にいたる地域の都市遺跡を、現地の研究者とともにめぐることで、東アジアの都市・環境史を規定する農業-遊倣境界地帯の歴史の構造を把握することができた。 上記の3に関しては、以下のような成果を得た。 研究代表者は、本科研に関する論著1冊(韓国語)、論文12篇(そのうち7篇が印刷刊行、他の5篇は印刷中)を公刊した。研究分担者も、それぞれ数篇の論文を執筆して、合計40篇を越す論著を公刊することができた。また、中間評価の審査に提出した本科研の学術誌『都市と環境の歴史学』第1・第2・第3集の増訂版を編集しており、最新の研究成果を多数盛り込んだ決定版を、2008年5月に刊行する予定である。研究は順調に進展しているといえるだろう。
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Research Products
(31 results)