2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線発光分光の開発とタンパク質、DNA等の生体物質の電子状態の研究
Project/Area Number |
16104004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辛 埴 東京大学, 物性研究所, 教授 (00162785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 啓介 財団法人高輝度光科学研究センター, 放射光研究所・利用促進部門I, 主任研究員 (50372149)
高田 恭孝 独立行政法人理化学研究所, 辛放射光物性研究室, 先任研究員 (90261122)
横谷 尚睦 財団法人高輝度光科学研究センター, 放射光研究所・利用促進部門I, 主任研究員 (90311646)
原田 慈久 独立行政法人理化学研究所, 量子材料研究グループ, 連携研究員 (70333317)
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Keywords | 軟X線分光 / 分光器 / 生体物質 / 電子構造 / SPring-8 |
Research Abstract |
本年度は(1)溶液試料マウントの導入(2)溶液試料急速冷凍システムの設計、(3)軟X線発光分光器の設計、また(4)各部品の試作による動作テストを行った。 (1)溶液試料マウントの導入 溶液状の生体試料を測るため、ポンピングによりテフロンチューブ内に溶液試料を流し、Si_3N_4薄膜を介して真空漕と接続して直接溶液試料の軟X線吸収・発光の測れるシステムを構築した。試験試料として超純水を用いたフロー試験を行い、ビームラインと接続してSiフォトダイオードによる軟X線吸収の測定に成功した。また、Si_3N_4薄膜の破損による溶液試料のビームライン上流への拡散を抑えるための緊急作動ポンプ、ダイアフラムの導入、冷却トラップの試作を行った。 (2)溶液試料急速冷凍システムの設計 ヘリウムフロー型冷凍機のコールドヘッド部に、溶液冷凍試料をマウントする回転ディスクを内包させ、Si3N4薄膜付フランジを介して高真空の解析漕側から光を入出射するシステムを設計した。 (3)軟X線発光分光器の設計 SPring-8BL27SUに導入したシステムと同様の斜入射平面結像型の軟X線発光分光器を設計した。調整の簡便化のため検出器は1軸駆動とし、1枚の回折格子で必要とする全てのエネルギー範囲(200eV-1000eV)をカバーし、エネルギー分解能がE/ΔE=3000を達成する仕様とした。 (4)各部品の動作テスト 試料位置のモニター用にレーザー変位計を導入し、動作試験を行った。コールドヘッドの内包する回転ディスク及び軸受け、ディスク回転及び1軸退避のためのガイドレールを製作した。また、冷却ディスクの駆動に用いるピエゾモータの液体窒素冷却下における動作試験を行った。
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Research Products
(5 results)