2006 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線発光分光の開発とタンパク質、DNA等の生体物質の電子状態の研究
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16104004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辛 埴 東京大学, 物性研究所, 教授 (00162785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 恭孝 独立行政法人理化学研究所, 播磨研究所・放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90261122)
原田 慈久 独立行政法人理化学研究所, 播磨研究所・放射光科学総合研究センター, 連携研究員 (70333317)
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Keywords | 溶液 / 軟X線吸収 / 軟X線発光 / ミオグロビン / 電子状態 / 鉄イオン / 配位子場 |
Research Abstract |
(1)新型軟X線発光分光器の開発 前置鏡を導入した新しい軟X線発光分光器の光学系の設計、発注を行い、前置鏡を除いた部分の組み立てを行った。SiO_2(ガラス)を用いたテスト測定により、O1s領域(550eV)で従来と同程度の分解能(〜1500E/ΔE)の達成を確認した。また、従来型では発光分光器のエネルギー軸がドリフトする問題があったが、CCD検出器のマウント部の改良によりドリフト量を一桁落として、分解能に対して無視できるほどまで改善することに成功した。さらにエネルギー分解能を設計値の性能まで到達させるため、振動対策や調整機構の改良に着手した。 (2)4℃近傍での送液による各種ミオグロビン溶液のFe2p内殻共鳴発光測定 各種ミオグロビン溶液(H_2O=メト型,CO型,O_2型,CN型,deoxy型)を用意し、送液により照射ダメージを回避したFe2p内殻共鳴発光の測定に成功した。金属タンパク質の金属中心におけるdd励起スペクトルが選択的に得られたのは世界で初めてである。昨年までに行った軟X線吸収の結果を裏付けるように、基質が結合した場合の電子状態変化は極めて小さく、基質のついていないdeoxy型のみが特徴的な変化を示すことがわかった。また、本質的に電子状態が異なると言われるCO型とO_2型はFe2p発光で見る限り、ほぼ類似の電子状態であることが示された。いずれも通常のFe酸化物と異なり、クラスターモデルで説明しようとすると、配位子との実効的な混成を大きくしなければならないことがわかった。これがミオグロビンで価数やスピン状態を温度領域で容易に変化させるメカニズムの本質であると考えられる。 (3)0℃〜100℃での送液による水、水溶液のO1s内殻吸収・共鳴発光測定 送液による純水のO1s軟X線吸収・発光を行い、温度に依存した最高被占有軌道に由来するピークの強度変化及びエネルギーシフトを観測した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Direct observation of site-specific valence electronic structure at the Sio_2/Si interface2006
Author(s)
Y.Yamashita, S.Yamamoto, K.Mukai, J.Yoshimobu, Y.Harada, T.Tokushima, T.Takeuchi, Y.Takata, S.Shin, K.Akagi, S.Tsuneyuki
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Journal Title
Phys. Rev. B 73
Pages: 045336-045339
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[Journal Article] Direct observation of the site-specific valence electronic structure at SiO_2/Si(111) interface2006
Author(s)
Y.Yamashita, S.Yamamoto, K.Mukai, J.Yoshinobu, Y.Harada, T.Tokushima, T.Takeuchi, Y.Takata, S.Shin, K.Agaki, S.Tsuneyuki
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Journal Title
e-J. Surf. Sci. Nanotech. 4
Pages: 280-284
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