2004 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントX線と高輝度中性子の相補利用による電子自由度の秩序と揺らぎの研究
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16104005
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
村上 洋一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60190899)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 和晃 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00275009)
山田 和芳 東北大学, 金属科学研究所, 教授 (70133923)
大山 研司 東北大学, 金属科学研究所, 助教授 (60241569)
石原 純夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30292262)
松村 武 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00312546)
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| Keywords | 電子軌道・四極子 / スピン / 放射光X線散乱 / 中性子散乱 / フラクタル / 超伝導 |
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| Research Abstract |
遷移金属や希土類金属化合物での電子自由度(スピン、軌道、電荷)の中性子と放射光X線による構造的研究、東北大学中性子散乱装置の高性能化(高輝度中性子を得るミラー集光機構や広立体角位置敏感検出器を導入)、放射光X線の時空相関を使ったスペックル散乱の基礎実験を行った。
・KCu_xZn_<1-x>F_3でのCuの3d電子軌道秩序がZnの希釈効果によりx=0.6近傍で融解することを放射光による精密構造解析・共鳴X線散乱から明らかにした。軌道秩序温度が消失するxがパーコレーション臨界濃度x=0.3より著しく大きいことを、軌道の異方的相互作用を考慮した理論模型により説明した。また転移濃度直上の試料では軌道秩序のフラクタル構造が観測された。
・軌道秩序を示すTiやVペロフスカイト型酸化物での軌道自由度の励起状態を観測できる非弾性中性子散乱過程を提唱し、スペクトルのエネルギーや中性子スピン偏極度依存性を計算した。
・ストライプ秩序を示す酸化物超伝導体LBCO(x=1/8)の磁気励起分散関係を中性子散乱で明らかにした。類似した分散はYBCOにもあり、超伝導体に共通した磁気励起の可能性を指摘した。
・電子ドープ型銅酸化物の超伝導試料に対して磁場中中性子散乱を行い、ホールドープ系では見られない、静的磁気相関の異常な磁場効果を見いだした。
・f電子四極子秩序の典型物質DyB_2C_2の放射光X線共鳴散乱を行い、単に秩序状態の観測のみでなくd-fクーロン相互作用や四極子-歪み(Jahn-Teller)相互作用の実態まで明らかにした。
・非弾性中性子散乱により、Yb系のヘビーフェルミオン新物質YbAgGeのスピンの揺らぎを反映した準弾性散乱と幅の広がった結晶場励起の観測に成功した。
・金属-絶縁体転移により現れるPrRu_4P_<12>の超格子構造を放射光X線共鳴散乱で観測した。中性子散乱結果と符合してPrの結晶場スキームが超格子的に配列している効果によると言える。
半導体的なCeOs_4Sb_<12>の中性子散乱実験から、Ce4f電子の予想外に強い遍歴性を見いだした。
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