2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規な液液界面反応計測法の開発と界面分析反応の開拓
Project/Area Number |
16105002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡會 仁 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (30091771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文珠四郎 秀昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80191071)
諏訪 雅頼 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90403097)
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Keywords | 液液界面吸着 / 界面キラル集合体生成 / 界面キラル測定 / 液液界面SHG / 界面キラル分子認識 / 遠心液膜円二色法 / 液液界面酵素触媒 / 界面タンパク機能診断 |
Research Abstract |
平成18年度は、以下の研究成果を得た。 1)液液界面における酵素触媒反応機構 液液界面に吸着したガラクトース置換フルオレセインをβ-ガラクトシダーゼにより加水分解するときの反応速度論的機構を、新たに開発した回転マイクロセル蛍光光度法により研究した結果、界面と水相における反応速度定数はほぼ同じ大きさであることを実験的に明らかにした。 2)液液界面におけるホルモン-血清アルブミン錯体の生成n-ヘキサン/水の界面で、サブフタロシアニンを標識として結合させたテストステロンとヒト血清アルブミン(HAS)との結合反応を、遠心液膜円二色性法により解明した。HASのsiteIに選択的なフロセミド、およびsiteIIに選択的なセファクロールを阻害剤として用いることにより、テストステロンは、液液界面でHASのsiteIに結合することがわかった。 3)液液界面キラル錯体の集合体生成 Pd(II)にチオエーテル置換フタロシアニンとBINAPが配位した錯体が、界面でキラルな複合体を生成することを見出し、その構造について検討した。その結果、トルエン中ではH-会合体、トルエン/水界面ではJ-会合体を生成することがわかった。 4)液液界面における特異配向吸着とキラル錯体形成 DMSOおよびトルエン/水界面で生成する、分子中心にアルコキソ置換基を有するサブフタロシアニンとβ-シクロデキストリン(β-CD)の包接化合物のキラリティーを検討した結果、DMSO中では負のキラリティー、液液界面では正のキラリティーを示すことがわかった。これは、β-CDが界面にprimary faceで吸着し、そこにアルコキソ基が挿入するためである。 5)液液界面のSERS測定 液液界面におけるドデカンチオールと銀ナノ粒子の結合反応を表面増強ラマン法により検討した。その結果、界面の銀ナノ粒子の水相側表面の残留負電荷がドデカンチオール濃度により制御されることが明らかとなった。
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