2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16106009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 豊信 The University of Tokyo, 大学院・光学系研究所, 教授 (00111477)
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Keywords | プラズマ加工 / 先端機能デバイス / 半導体物性 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本年度は、n型cBN薄膜体積に向け、CVD時におけるH_2S導入によるSドーピングを検討した。当初、ドーピングにより膜の剥離強度劣化が顕著となり、特に電気物性評価に必須となる絶縁性基板においては多くの場合数10分で剥離する障害克服が最大課題となったが、堆積後の1200KでのポストアニーリングによってcBN薄膜の耐剥離性が向上することを見いだした。結果として石英基板上へのSドープcBN薄膜堆積が可能となった。ただし、cBNの核生成前でのH_2Sガス導入は被毒効果が強く、微量であってもcBNは生成されずtBN化するが、cBN核生成後の導入ではcBN成長は可能であることを確認した。 SIMS、EDX、XPS分析の結果、Sは.クラスター的に偏析するようなことはなく、均一にドーピングされることが判明した。比抵抗測定及びホール測定の結果、900K堆積膜では650K付近からp型判定を示すが、1200K堆積膜では750K付近から800Kにかけてはキャリアの減少とともに多数キャリアの反転が起こり、650Kから700Kまでのp型判定が750〜800K付近ではn型を示し、ナノ結晶薄膜においても将来粒界効果等の低減をはかったcBN薄膜作製が可能となれば、Sドープによりn型化する可能性が示された。 cBN薄膜pn接合デバイスプロトタイプとして、p^++-Si基板をメタル電極として、無ドープcBN薄膜(p型)、さらにSドープcBN薄膜(n型様)を堆積した。膜厚方向のI-V測定の結果、室温で4桁の整流比を示すことが確認された。アニーリングによる元素の拡散、膜の剥離等の問題は山積しているが、この手法によるpn接合デバイスの可能性が見出された。
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Research Products
(3 results)