2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16106010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朝倉 清高 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 教授 (60175164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田 旺帝 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (40344501)
鈴木 秀士 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教 (30322853)
野村 昌治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (70156230)
阪東 恭子 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境科学技術研究部門, 主任研究員 (50357828)
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Keywords | Operando Spectrum / その場観測 / Quick XAFS / 脱硫触媒 / リン化物触媒 / STM / XANAM / EXPEEM |
Research Abstract |
ガソリンやディーゼルオイルに含まれる硫黄分の除去が重要になっています。すなわち自動車エンジンの中で、燃料中の硫黄分が酸化され、それが酸性雨のもとになったり、NO_X除去触媒を被毒してしまい、深刻な大気汚染を引き起こしています。燃料に含まれる硫黄分をppmオーダまで下げるように規制が強くなっています。これまでの快適な生活を保ちながら、地球環境を守るにはどうしても硫黄分を除去できる安価で優れた触媒が必要です。私たちの日米共同研究グループはこの目的を達成するための新しい触媒として金属燐化物が優れていることを見出してきました。この研究では、この優れた燐化物触媒がなぜ優れているのかを様々な表面科学的手法により調べようというものであります。特にEXAFS(X線吸収微細構造)法という分光法で、その反応機構を明らかにすることが一つのターゲットです。この分光法は、触媒が働いている現場の触媒構造をしることができるという他にない特徴をもっています。わたしたちは、さらに脱硫触媒反応条件である50気圧300℃という過酷な条件で、その各ステップを逐一追跡ができる高速EXAFSを開発しました。本年度の成果は以下の3点であります。1.高機能脱硫触媒の構造解析と高温高圧実反応条件下の測定法の開発2.高速EXAFS装置の製作3.高機能脱硫触媒の表面科学的なアプローチ 1については、SiO_2やKUSY担持のリン化物触媒の構造がNi_2Pであることを明らかにしました。また、100気圧600度という過酷な反応条件に耐えるセルを制作し、実反応条件でのXAFS測定に成功しました。また、反応中間体を捉えることに成功し、その反応機構を提案しました。 2については、全国の触媒研究者と連携し、測定装置を製作し、10秒以下の高速でXAFS測定に成功しました.また、これを用いて、Ni_2Pの調製過程や反応過程を追跡しました。 3については、主にSTMを用いてNi_2P単結晶の構造解析を行っていました。また、EXPEEMによる化学分析を行うためにEXPEEMの改良を行い、Wien filterによる光電子顕微鏡像の取得に成功しました。
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Research Products
(24 results)