2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16106011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊谷 泉 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10161689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 竜太郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80323103)
梅津 光央 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70333846)
津本 浩平 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90271866)
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Keywords | バイオインターフェイス / 抗体 / ナノ材料 / 細胞表面抗原 / 抗体工学 / Hot-Spot / マテリアル認識ペプチド / ファージ提示法 |
Research Abstract |
本研究では、1.抗体の分子認識能による安定な人工選択、2.人工的分子形態の創製、3.選択された抗体の高効率な調製系の構築、という三つの基盤に基づいて、抗体医薬開発、ナノ材料への応用を可能にする技術基盤の構築を目標としている。特に、細胞表面抗原、工学材料表面に焦点を絞り、特異的認識抗体分子の人工選択とその機能評価に基づき、応対の人工組換えによる、蛋白質や細胞間と工学材料間のバイオインターフェイスの人工設計の基盤構築を目指している。 本年度の研究成果は以下の通りである。 1.ヒト抗体分子の選択と調製:(1)ヒト細胞表面抗原;TRAIL、EGFRなどの、がん関連抗原特異的な抗体の取得を目指して、セルソーターを用いた高効率選択系の確立を目指した。またADCCに寄与するCD16に対する抗体取得に向けて、新たにCD16安定発現CHO細胞株を樹立した。ヒト型化により親和性が低下した抗EGFR抗体528に関しては、VHのHot-Spotと考えられるCDR中の残基に無作為導入を行い、ファージ提示法により親和性が向上したクローンの選択に成功した。(2)工学材料;前年度取得した抗金表面抗体の安定性向上に向けてgerm lineには見られない残基へ部位特異的変異導入を行った。またファージ提示法により単離したマテリアル認識ペプチドをCDRに移植した抗体を新たに作製し、バイオインターフェイス分子としての展望を示した。2.人工的分子形態の構築と利用:当研究室で構築したCD3とEGFRを認識するdiabodyの高機能化を目指して、複数の非天然型人工抗体を構築した。いずれも従来のdiabodyを凌駕する効果を示し、今後の人工的分子形態の創製に重要な知見を与えた。3.抗体の高効率な調製系の構築:大腸菌高密度培養、及び動物細胞遺伝子増幅系に着手し、分子サイズ、形状に特化させた高効率調製法の整備を開始した。
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