2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホール型推進機における放電振動の抑制と高密度プラズマイオンの抽出
Project/Area Number |
16106012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 義博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50134490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 弘一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20207210)
小紫 公也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (90242825)
山本 直嗣 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助手 (40380711)
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Keywords | ホール型推進機 / 宇宙推進 / プラズマ / イオンビーム / 放電振動 |
Research Abstract |
次世代宇宙推進機として現在最も注目され日欧米で競って研究開発が進められているホール型推進機において,不安定作動の誘発や推進機損傷の要因と考えられる放電振動の原因の解明とその抑制を目的として以下の研究を行った. ・高速度カメラを用いたプラズマの可視化および測定:定量的に信頼性のある振動モデルを構築するために,加速チャネル内部および外部におけるプラズマの可視化・測定が不可欠である.前年度に行った高周波のプラズマ不安定性に引き続き,本年度は,振動と推進性能および寿命の関係を明らかにするために,放電振動の連続撮影が可能な高速度ビデオカメラを用いて長時間観測を行った. ・加速チャネル内のプラズマ発光観測:振動現象の要因となっているイオン加速チャネルの内部状態を観察・測定するために,内部観察用スリット付ホールスラスタを設計し実験を行った.加速チャネル部の中空陽極の役割を明らかにするため,チャネル内におけるイオンおよび中性粒子の発光を観察を行った. ・吸収分光法によるプルーム密度測定:加速チャネル外部のイオンビームの定量的な評価のために,半導体レーザーを用いた吸収分光法による測定を行った.推進機下流のプラズマプルームの密度・温度分布を測定し,以下に述べる振動モデルに定量的な評価を与えた. ・1次元および2次元放電振動モデルの発展:上記実験に並行して,1次元および2次元の放電振動モデルを発展させた.前者の高速1次元モデルにおいては,放電振動を定量的に放電電流および振動の大きさともに定量的に再現することに成功した.後者のFull PIC法を用いた2次元モデルにおいては,中空陽極内部のプラズマ・電位分布を明らかにし,またプラズマプルームの中性粒子密度に対し実験との比較を行った.
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