2005 Fiscal Year Annual Research Report
新手法による高ベータ球状トカマクプラズマの生成及び維持
Project/Area Number |
16106013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高瀬 雄一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70292828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 靖 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30214191)
江尻 晶 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (30249966)
河森 栄一郎 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助手 (90345273)
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
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Keywords | 球状トカマク / ST / 高ベータ / プラズマ / 合体 / 高周波 / 立ち上げ / 維持 |
Research Abstract |
TS-3・TS-4装置では、合体する2個のSTプラズマの磁気中性点付近で2次元計測を行った。イオン温度分布は、リコネクションアオトフロー下流領域で2つのピークをもち、電子温度分布のピークは電流シート内の磁気中性点付近にあった。これより電子加熱は電流シート内、イオン加熱はアウトフロー下流領域で起こることがわかり、アウトフローが再結合した磁力線に衝突するときに形成されるファーストショックやイオン粘性を通じてイオン運動エネルギーが熱化されるプロセスを明らかにした。また磁気リコネクションによるプラズマ加熱エネルギーがポロイダル磁場の2乗に比例することを実験・理論の両面から明らかにした。 TST-2装置では、高次高調速波(HHFW)の波数を変更できるアンテナを設置し、増力された発振器2系統を用いて電子加熱実験を開始した。1keV以上の軟X線放射の増加分は、HHFW入射パワーに比例し、その空間分布より電子加熱はプラズマ中心付近で起こることが示唆された。また高波数励起の方が蓄積エネルギーの増加が大きく、より有効に吸収されることがわかった。波動物理を解明するため、反射計によるプラズマ内部の波動計測を開発している。揺動による回折効果を取り入れた波動計算に基づき、イメージング光学系を設計・製作し、動作確認を行った。HHFW(21MHz、約100kW)入射時にプラズマからの反射波の位相を測定し、その変動から密度揺動、高周波電場の振幅を評価した結果、高周波電場の上限は、オーダー評価による予測と矛盾しない1kV/m程度であることがわかった。 これらの要素の統合を実証するための新装置UTSTは、柏キャンパスの実験棟に設置された。UTSTの立ち上げ過程をMHDシミュレーションで模擬することに成功した。間もなくプラズマ実験が開始できる見込みである。また200MHz帯の高周波発振器の準備を進めた。
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Research Products
(6 results)