2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工環境の普及に伴う日本人の環境適応能の変化に関する研究
Project/Area Number |
16107006
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝浦 哲夫 千葉大学, 工学部, 教授 (00038986)
綿貫 茂喜 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (00158677)
大中 忠勝 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (20112716)
安河内 朗 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (20136568)
村木 里志 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教授 (70300473)
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Keywords | 人工環境 / 温熱環境 / 人工照明 / 超音波 / 住宅環境 / 空調 |
Research Abstract |
・日常生活における光条件が高齢者の夜間のメラトニン分泌に及ぼす影響について調べた。被験者は自立して生活のできる高齢男女8名(男女各4名:平均年齢70.39歳)であった。各被験者における日中及び夜間の光の曝露量と活動量はアクチウォッチにて記録され、メラトニン濃度は前夜9時以降から起床時まで蓄尿されたサンプルより分析された。本研究の結果より、午前中の積算照度と尿中メラトニン濃度に有意な正の関係が得られ、午前中の光の曝露量が夜間のメラトニン分泌に影響することが示唆された。 ・超音波が背景脳波に与える影響を無響室内で検討した。その結果、超音波を与えると安静時の開眼時脳波と比較して、01、02でのα1波(8-10Hz)が有意に増加し、Fp1、Fp2、F7、F8、01、02におけるβ1波(13-20Hz)は超音波呈示後において有意に減少した。これらの結果から、超音波の呈示によって脳の活動は低下する可能性が示唆された。 ・被験者として夏季においてクーラーを好み長時間使用する者10名(長時間群)と、クーラーを苦手とし短時間使用する者10名(短時間群)を選択した。7月と9月において被験者の周囲気温を3日間に渡って測定し、その中の1日において午前8時から午後10時までの間2時間毎に唾液を採取し、コルチゾール濃度を測定した。9月において被験者を30℃の環境へ30分間滞在した後、気温が自動的に0.4℃/分で低下する人工気候室に滞在させ、冷房の温度としての快適温度を求めた。7月における周囲気温の平均値は長時間群28.2℃、短時間群30.7℃であり、有意差が認められた。9月におけるコルチゾールの日内変動は、長時間群で大きな乱れがあり、特に午前8時、10時では両群間に有意差が認められた。快適温度は長時間群26℃、短時間群が29℃であり、3℃もの差異を認めた。 ・全国10地区300戸の住宅温熱環境を夏季と冬季に実測し、居住者のアンケートを受け、分析中である。
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Research Products
(1 results)