2004 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属族触媒を用いた有機ヘテロ元素化学反応の体系化
Project/Area Number |
16109001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30158117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 亮 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20359532)
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Keywords | 有機イオウ化合物 / ロジウム触媒 / チオイソニトリル / イオウ単体 / CH結合活性化 / チオアセチレン / アルキニルホスフィン |
Research Abstract |
有機イオウ化合物は,医薬品や機能性材料として重要であり,効率的な合成法の開発は有機合成化学の課題である.従来,有機イオウ化合物を合成するためには,イオウ単体などから多段階を経て調製された様々な試薬を用いて,有機ハロゲン化合物の置換反応が用いられてきた.従って,毒性のある試薬を用いたり,湿気や酸素を排除する反応条件設定が必要であったり,また,金属ハロゲン化物が副生するなどの問題があった.本研究は,安価なイオウ単体を用いて不飽和化合物への付加反応または飽和化合物のCH置換反応を開発し,経済的で環境調和型のプロセスを創出するものである.とくに遷移金属触媒を用いて研究を進め,新しい有機イオウ化学分野の開拓を行う. イオウ-イオウ結合を切断しながら変換反応に用いることを検討している,とくに,ロジウム錯体がポリスルフィドとイオウ単体の触媒的なイオウ原子交換を行えることを示した.これはロジウム錯体がイオウ単体によって不活性化されることなく,変換を有効に行うことを示した結果である.この発展として,イソニトリルとイオウ単体の反応によるチオイソニトリルの合成法を開発した. 有機化合物のCH結合を直接CS結合に変換する触媒反応の検討を行い,末端アセチレンとジスルフィド化合物をロジウム触媒と反応させてチオアセチレンを与える反応を開発した.これは,塩基を全く必要としない極めて効率の高い方法である.また,本研究の目標達成の重要な鍵になると期待される. 関連して,ジホスフィンのリン-リン結合を活性化してアセチレンからアルキニルホスフィンを合成する反応を開発した.
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Research Products
(6 results)