2006 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属族触媒を用いた有機ヘテロ元素化学反応の体系化
Project/Area Number |
16109001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (30158117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 亮 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20359532)
西村 良夫 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (60431516)
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Keywords | 遷移金属 / イオウ / リン / 触媒 / 有機合成 / フルオロベンゼン / 芳香族スルフィド |
Research Abstract |
有機イオウ・リン化合物の効率的合成を行う目的で,ジスルフィドS-S結合とジホスフィンP-P結合開裂を伴う単結合メタセシス反応を広くスクリーニングした.有機イオウ化合物に関しては,チオアルキンC-S結合切断再配列反応,α-チオケトンとジスルフィドとの交換反応,芳香族C-F結合活性化反応を開発した.有機リン化合物については,C-H結合活性化を利用したC-P結合生成反応を開発した. 単結合メタセシスを理解するためにチオアルキンを取り上げた.二種のチオアルキンを反応させた場合,二つのC-S結合を生成するC-S/C-SメタセシスとC-C結合とS-S結合を生成するC-C/S-Sメタセシスが進行しうる.同一ロジウム錯体を用いて,配位子をかえることにより二種のメタセシスを制御することに成功した.また,ロジウム触媒存在下,α-チオケトンとジスルフィドを作用させるとアルキルチオ基が交換したα-チオケトンが収率良く得られた.加えて,C-F結合を活性化してC-S結合に変換するメタセシス反応を開発した.ロジウム触媒存在下で芳香族フッ化物とジスルフィドを反応させると,芳香族スルフィドを収率良く与えた.ここで,種々のポリフルオロベンゼンとジスルフィドとの反応を行うことができることも示した。配向性について,1,4-ジフルオロベンゼンが生成しやすいという新たな規則性を明らかにした. C-P結合の触媒的生成法を検討した.1-アルキンにテトラフェニルジホスフィンを作用させると1-アルキニルホスフィンを与える.従来の1-アルキンからアルキニルホスフィンを合成する反応は化学量論量の塩基を必要としていたが,今回の反応では塩基を用いずに触媒的にアルキンC-H結合からC-P結合が生成する.
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